李登輝に学ぶリーダーの神髄
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
経営者と政治家は、どこが似ていて、どこが違うのか
李登輝に学ぶリーダーの神髄(10)国家国民のために
江口克彦(株式会社江口オフィス代表取締役社長 /元参議院議員/PHP総合研究所元社長)
指導者にとって大事なものを聞かれ、李登輝は一番に「信仰」と答えた。松下幸之助でいえば、それは「根源」ということになる。二人とも気が強く、またそれを裏付ける信仰、哲学を持っている点でよく似ている。では経営者と政治家の違いは何か。誠実を貫くことができるかどうかであると江口氏は言う。経営者は誠実を貫いても結果が出せるが、政治家はどうしても駆け引きをせねばならぬことがある。だが、だからこそ余計に、自分を脱却し、「国家国民のため」という信念を貫かねばならないのである。(全10話中第10話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分04秒
収録日:2020年8月24日
追加日:2020年12月30日
≪全文≫

●「闘いの人生」を貫けたのも自分を脱却していたから


―― それにしても、すごいファイトです。中華民国が国連に切り捨てられ、中国共産党が入ってしまう。孤立無援の中で、蒋介石から蒋経国に移り、その中で台湾を今の地位に持っていく。産業も自主自立の下で、あれだけITで花開かせる。素晴らしいです。

江口 だから李登輝さんの人生も闘いの人生だったし、松下幸之助さんの人生も闘いの人生だったと思います。特に松下幸之助さんは見た目が弱々しいというか、「蒲柳の質のおじいちゃん」という感じです。だけど23年間、松下幸之助さんと一緒に過ごした私から見れば、ものすごく芯の強い人です。プライベートのほうが多かったですが、平たく言えば気の強い人です。李登輝さんもそうです。

―― 両方とも気が強かった。

江口 気の強さや芯の強さがどこから出てくるかというと、松下幸之助さんは自分が考えた「(宇宙の)根源」という一つの哲学に拠り所を持っていた。その強さがあります。李登輝さんの強さは、やはり信仰です。あるいはキリスト教、プロテスタントで、敬虔なクリスチャン。実際、李登輝さんが「指導者にとって何が大事ですか」と聞かれ、一番最初に必ず挙げるのが信仰です。

―― 1番目に信仰を持ってくるのですね。

江口 普通の指導者なら、そんな挙げ方はしないと思います。「信仰」とは即ち、そのあとに出てくる、自分の考え方をひと言でまとめた「私は私でない私」となるのです。

―― どこからの目線で見ているか、対峙するかですね。

江口 自分から脱却することが、指導者なり、リーダーには大事です。そして脱却したあと、高いところにたどり着けるかどうかだと思います。

―― その意味で江口さんの中で、松下幸之助さんと李登輝さんは、すごく似ているのですね。両方とも気が強く、それを裏付ける信仰がある。それはクリスチャンであろうと、「根源(の社)」であろうと同じなんですね。

江口 だから、私の場合は自分を脱却して、松下幸之助の目線、あるいは政治を見るときは李登輝さんの目線になる。自分から脱却したときに頼るべきものが李登輝さんと松下幸之助さんだったことは、ぼんくらな私にとっては非常に幸いでした。運が強いというか、恵まれていると思います。


●経営者は「誠の道」を貫き通せるが、政治家は……


―― 江口さんは経営者と政治家、両方やられたじゃ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(5)『秘蔵宝鑰』が示す非二元論的世界
雄大で雄渾な生命の全体像…その中で点滅する個々の生命
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ