日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像
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地熱、洋上、潮汐…地理的特性を生かした発電方法の可能性
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(8)グローバル連携と洋上、地熱
政治と経済
岡本浩(東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者/スマートレジリエンスネットワーク代表幹事)
世界的な課題であるエネルギー問題を解決するため、日本国内でサステナブルな電力を無駄なく運用するというローカル的な考え方とともに、グローバルに世界連携をつくるということを考える必要がある。そこで今回の講義では、光ファイバーを利用したバーチャルなグローバル連携について、さらに海の活用や地熱の活用など、日本の地理的特性を踏まえた発電方法の可能性とともに解説する。(全9話中第8話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分04秒
収録日:2024年2月7日
追加日:2024年6月1日
≪全文≫

●光ファイバーを利用すればエネルギーのグローバル連携が可能に


―― (スライドにあるような)こういう仕組みが社会としてないと、ということで、価格のメカニズムを使う上でもこういうものが必要だということが非常によく分かるお話でした。

 さらにお話を進めていくと、どういうことになりますでしょうか。

岡本 今、どちらかというとローカルなほうの話に振ったというか、お客様に近いところというのは、当然、お客様自身だったり、あるいはローカルなエリアなのですけれど、逆に振るとグローバルということになります。ローカルを考えながらグローバルも考えるということがおそらく必要なのではないかと思うのです。

 今まで、電気はなかなか遠くに運ぶのが大変でした。特に海底ケーブルは長距離があまりないということもあり、特に日本の場合、日本海がすごく深いということがあって、大陸と日本を電気のネットワークでつなぐということが、構想はあるのですけれど非常に難しい。コストもかかるという話があって、日本は島国ですから、なかなか連携できないと私も思っていたのですけれど、よくよく考えると、光ファイバーのグローバル連携はできるのです。

 ということを考えると、光ファイバーも使った電気の融通というと、リアルではなくて、少しバーチャルな融通ではあるのです。

 例えば、(スライドの)右の、地球儀を北極側から見たものを見ていただきたいのです。青で描かれている光ファイバールートの計画があって、2027年度にはサービスを開始するのではないかといわれています。これは非常に面白くて、ノルウェーからアメリカ大陸の北側の北極海をグルッと通って、ベーリング海峡から苫小牧まで達する1万5000キロの光ファイバールートです。

 これで例えば、ノルウェーに水力資源はものすごくあるので、そこにデータセンターを置いて、そのデータセンターを日本のお客様が演算に使ったとする。それで日本にデータセンターを置いて、日本の電気を使って計算するのと若干遅延はあるけれど、あまり変わらないではないですか。そうすると、結局ノルウェーから電気を輸入したように、形の上では見えますね。

―― はい。

岡本 だから、エネルギーの世界も光ファイバーがつながっていると、サイ...

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