水から考える「持続可能」な未来
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
水資源リスク情報開示…野心的な気候変動目標は得なのか
水から考える「持続可能」な未来(4)前途多難社会から持続可能社会へ
沖大幹(東京大学大学院工学系研究科 教授)
気候変動に対処するべく持続可能な社会の実現が求められるが、実は世界はそうではない「前途多難社会」に向かっている。そうした中、どのようにして私たちは持続可能な社会づくりへと舵を取ることができるのだろうか。企業活動へ求められる、気候変動リスクに関する情報開示についての近年の動きと課題について解説する。(2024年9月14日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全8話中第4話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分47秒
収録日:2024年9月14日
追加日:2025年3月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●「前途多難社会」に向かっている世界


 ここでは世界的に見たときに、このGDP比で見て、持続可能な社会のほうが前途多難社会に比べて、緩和費用も影響もグッと少なくて済むといったときに、皆さん、具体的に持続可能社会とか、(あるいは)前途多難社会というのは何を考えているのか、ということが気になると思います。(このスライドは、)国際的にナラティブという物語がそれぞれの社会経済シナリオに対して共有されていて、それにどう書いてあるか、ピックアップしたところなのです。

 まず、前途多難社会(SSP3)という、持続可能ではない未来は、ナショナリズムが再燃し、国際協調が弱く、地球規模課題への調整能力が不足しています。各国政府は自分たちのことしか考えなくて、下手するとエネルギーとか農業には貿易障壁も付ける。教育と技術開発の投資が少ないので、逆に技術的な伸びが悪い。なので、あのように(前回お伝えしたような)コストもかかったりして、影響も大きくなるわけです。経済は発展しません。

 それに対して、持続可能な未来では、マルチステークホルダーの協調によってグローバルコモンズ、(つまり)大気も含めて環境の管理も改善する。それから、資源やエネルギー強度、GDPあたりに必要な物質の量とかエネルギーの量は減っていく。教育と健康への投資、このあたりは両方あいまっているわけです。そして人口も増えない。経済成長重視から人間の幸福を重視する方句にシフトする。格差は減る。

 見ていただいて、今、どちらかというと世界はものすごくこちらの方向(前途多難社会:持続可能ではない未来)に行っているわけです。なので、ますますコストは高いし、温暖化のなかなか投資も進まないということかなと思います。

―― どうでもいい質問なのですが、非常に印象深い絵が2枚並んでいます。ジン通りとビール街というのはどういう寓意なのでしょうか。

沖 これは有名なフォガースの18世紀の銅版画なのですけれど、ジン通り(の絵のほう)は――今ジンとビール、同じメーカーが売っていたりしますけれど――ジンは蒸留酒で悪酔いして、お母さんが赤ちゃんを放っておいて酔っ払って、(近くに)首吊っているおじさんがいてとか、非常に悪いところのシンボルです。

 ビール街(の絵のほう)は、ビ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
知性の進化と科学技術文明の未来(1)ヒトは本当に賢いか
なぜ人類は進化できたか?…5つの環境要因と脳の発達
長谷川眞理子
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾