水から考える「持続可能」な未来
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
人類が経験したことのないリスクが東京に…温暖化の脅威
水から考える「持続可能」な未来(2)気候変動への緩和策と適応策
沖大幹(東京大学大学院工学系研究科 教授)
急速な気候変動が起これば、これまでの気候に応じて形成してきたそれぞれの地域社会は維持できなくなってしまう。ではどうすればいいのか。温暖化を元から断つ「緩和策」だけでなく、温室効果ガスが生じたときの被害を最小限に抑えるための「適応策」も必要なのだ。それぞれ具体的に解説する。(2024年9月14日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全8話中第2話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分32秒
収録日:2024年9月14日
追加日:2025年3月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●今までの気候に合わせて社会は作られてきた


沖 では、天気がどう変わるかなのですけれど、これが面白い(面白いといったら怒られます)けれど、いちばんは低気圧です。よく低気圧、高気圧、あるいはジェット気流が(スライドの)このへんにあって、それが蛇行すると異常気象になって、みたいな話があります。低気圧、高気圧は北極が冷たくて、赤道が温かいというのを混ぜるためにやってくるのです。それが温暖化すると、北極のほうの温まり方のほうが赤道よりも大きいので、温度差が減るのです。温度差が減って、その境目がどちらかというと極のほうにシフトする。しかも蛇行しやすくなるのです。

 シフトすると結局、問題は今まで降っていたところで降らなくなって、今まで降らなかったところで降るようになることです。私たちの社会の側が今の、あるいはこれまでの雨の降り方、これまでの気温に合わせて社会をつくってきました。空調だってそうです。あるいは、雨水が溜まらないように下水で排水する仕組みもそうです。全部、今までに合わせて町をつくって、農業をしてきたところが変わってしまうので、やり方を変えなければいけないのです。

 私が割と楽観的なのは、日本はまだ豊かだし、技術もあるし、人材も揃っているので、なんとかその変化に耐えられると思うところですけれど、そういうことができない国や地域は非常に困窮する、困ってしまうのだろうということになります。


●温暖化により強力化する熱帯低気圧


沖 もう1つは熱帯低気圧です。熱帯低気圧は一旦起こったら、強度は増大、しかし頻度つまり数は減少もしくは現状維持だと想定されています。これもメカニズムをしゃべりだすと長いのですけれど、台風が起こるためには「積雲対流」という入道雲が生じて組織化しなければいけないのです。温暖化すると、地表面だけではなくて大気の中層も温まるので安定化して、入道雲が起こりにくくなるのです。

 ところが、(それが)一旦起こると、先ほどの話で、空気の中に水蒸気がいっぱいあって、それが凝結するときに熱をたくさん出す。それが台風のエネルギー源なので、一旦生じると強い(台風)が起こりやすくなるのです。(2024年の)台風10号は迷走しましたね。九州のほうから戻ってきて、また北に行きました。その次の台風が一瞬中国、海南島などを襲って...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
地政学入門 ヨーロッパ編(10)グリーンランドと北極海
グリーンランドに米国の軍事拠点…北極圏の地政学的意味
小原雅博
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
グローバル環境の変化と日本の課題(6)組織改革と課題解決のために
働き方改革の鍵はエンゲージメント、経営者の腕の見せ所
石黒憲彦