日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
生成AIの規模拡大で急増する世界的エネルギー事情
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(4)エネルギーにおける「神経と血管」
岡本浩(東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者/スマートレジリエンスネットワーク代表幹事)
AI技術の急速な発展と需要の拡大で、これからさらに世界的に電力消費が増えていくことが予想される。デジタルインフラを支える電力がますます必要とされる中で、カーボンニュートラルなエネルギー供給をいかにして安定的に行うかがこれからの課題となる。その実現は容易ではないが、そのヒントが人体における神経と血管の相互補完的な関係性にあった。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分45秒
収録日:2024年2月7日
追加日:2024年5月4日
≪全文≫

●AIの進化で増える世界的な電力需要


―― そういう全体状況があった中で、さらにいいますと、AIの進展でさらにエネルギー消費が(増える)というところでございますけれど、ここはどんな形でございましょうか。

岡本 エネルギー消費全体で見ますと、基本的には日本の場合は人口が減少している過程にありますし、一般的には省エネルギーが非常に進んでいるので、電力消費も、われわれのエリアでも横ばいか、若干減少していくというのが今のトレンドなのです。

 この後もそうかなと思っていたのですけれど、最近になって急激に、あるセクターのエネルギー消費だけが増えるという状況になっています。今お話のあった通り、これはデータセンターのお客様が次々と昔に比べて大規模化して、それを申し込んでいらっしゃるという状況になっています。このグラフを見ていただくと分かります。

 今年度(2023年度)の上期末で受け付けたものになります。この後5年ぐらいで600万キロワット、2030年ぐらいだと700万キロワットぐらいになってしまうのではないかという、新たなデータセンターの受付があったということがあります。

 だいたい規模感でいうと今、東京電力エリアの最大需要が6000万キロワットを少し切るぐらいです。ですから、もちろん他の部分が少しずつ減っているので、完全プラスというわけではないですけれど、仮に600万キロワット増えると、10パーセント以上増えることになります。それはかなり大きなインパクトがあります。

―― そうですね。

岡本 ますますお申し込みが増加するという状況があります。

 生成AIが使うモデルの規模がどんどん大きくなっていますので、そのたびに学習するにしても、必要とするエネルギーはどんどん増えてしまっているというのが、実際に起きていることです。

 これは日本だけではなくて、アメリカでも、シンガポールでも、ヨーロッパの話は聞けていないのですけれど、おそらくヨーロッパも、少なくともアメリカとシンガポールでは現に相当増えていると聞いています。

―― それはどのぐらいの形なのですか。

岡本 シンガポールは、今現在ですでに国全体の電力消費の7パーセントがデータセンターになっているそうなのです。

―― 全体の7パーセントということですね。

岡本 ただ、シンガポールは国が非常に...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
歴史の探り方、活かし方(3)古書店巡りからネット書店へ
ネット古書店で便利に買える時代…「歴史探索」の意義とは
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
テンミニッツ・アカデミー編集部
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新