日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像
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日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(5)デジタルインフラと電力のこれから
政治と経済
岡本浩(東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者/スマートレジリエンスネットワーク代表幹事)
人体における神経と血管の相互補完関係のような、デジタルインフラと電力供給網の密接な関係はいかに構築できるのか。既存の電力設備を活用する最もシンプルな方法や、消費者の近くに点在するデータセンターを活用した、分散型の新しい電力消費のスタイルを提案する。(全9話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分37秒
収録日:2024年2月7日
追加日:2024年5月11日
≪全文≫

●すでにある電力設備にデジタルインフラを重ねる


―― そのような動きが一部あるということで、さらにお話を進めていただくとどういうことになりますか。

岡本 もう1つの事例です。神経と血管を密着させるといったわけなのですけれど、例えば、電力設備そのものにデジタルインフラを重ねてつくってしまうということが密着のいちばんシンプルなパターンなので、そういうパターンも考えられます。今見ていただいている(スライドの)絵でアンテナのようものが上のほうに出ています。

―― 「5G」と書いてあるところですね。

岡本 そうですね。これからだと5Gとか、あるいは6Gというものもあると思いますけれど、そういった高速な大容量の無線のサービスがこれからどんどん出てくると思うのです。その基地局装置(Base Band Unit)をどこに置くかということ(課題)があったとして、例えば、われわれの変電所に置いてしまえばいいのではないかということです。

―― なるほど。

岡本 当然、変電所に電気はあるわけです。その上で、変電所の中には通常、通信機械室があります。今までですと、通信のための装置を入れていたのですけれど、どんどん通信装置が小さくなってきて、けっこう大きな部屋があって、冷房も効いているのです。中はカラということはないのですけれど、かなり隙間が多いわけです。そういうところにサーバーを入れていって、そこに基地局装置をソフトウェアで入れると場所としては使えます。だから、電気がある場所の空きスペースの活用ができるというのが1つのメリットです。

 もともとそこから、例えば電柱とかいろいろな電気をお届けしている設備がありますけれど、そこまで電線と光ファイバーがもうすでにつながっているので、それをそのまま使う。例えば、電柱とか鉄塔でもいいのですけれど、そこにアンテナさえ置けばもう5Gなどができてしまうのではないかということです。

 なので、新たに全部これ(基地局装置)を置きに行くよりは、すでにあるものを使って、そこに重ねたほうが安くて速いのではないかというのが1つの着眼点なのです。

―― そういうことができてくると、具体的には、どういう社会になっていくということなのですか。

岡本 5Gあるいは6Gは、コストの問題があって、普及がまだまだこれからだと思うのですけれど、投...

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