日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像
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営農型太陽光発電…これからの電力と農業のあり方を考える
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(9)農業と太陽光発電
政治と経済
岡本浩(東京電力パワーグリッド株式会社取締役副社長執行役員最高技術責任者/スマートレジリエンスネットワーク代表幹事)
カーボンニュートラルな発電法としてなじみ深いのが太陽光発電だが、山林や田畑を切り崩して太陽光パネルを設置することへの批判もある。しかし、農地の屋根として太陽光パネルを活用することで、環境にも農業にも有益な運用が可能になるようだ。営農型太陽光発電の実践から、これからの電力と農業のあり方を提案する。(全9話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分23秒
収録日:2024年2月7日
追加日:2024年6月8日
≪全文≫

●合理的な電力運用を実現する営農型太陽光発電


―― そのように、多様な可能性があるという中でございますけれど、最後に営農型の太陽光発電についてです。

岡本 先ほどからずっと申し上げてきたのですけれど、自家発電、自家消費というのは非常に合理的な面が当然あるので、太陽光は自家発電、自家消費にけっこう適しています。今、ご自宅の屋根に太陽光パネルを載せて、その下で暮らすお客様を、電化した形にして太陽光のエネルギーを電気でうまく使うというのが一つのパターンですけれど、そのパターンをいかに増やすかだと思っています。

 この(スライドの)写真は営農型太陽光発電で、畑や田んぼで農作をしている場所に太陽光も置きます。これは、太陽光発電のための太陽光ではないといったほうがいいと思います。要するに、これは屋根の代わりにパネルを置いて、農業を動かすためのエネルギーを(つくり)、農業という産業を成り立たせるために太陽光を使うということです。こういうパターンにすることができて、これは非常に有望ではないかと思っています。

 写真で見ていただくと分かるのですけれど、私も行くまでは、太陽光パネルを貼ってしまったら真っ暗になって、モヤシでも育てるのか、みたいになってしまうと思っていたのです。けれど、この(スライドの)絵にあるように、パネルは隙間を空けて配置していまして、これでもけっこう発電量は多いのです。

 また、これは農業関係の方に聞きましたけれど、暗くならないので、日射量は多少絞られても農作物の生育にほとんど影響しません。だから飽和する効果があるのでしょうか。そうすると、飽和している部分は太陽光発電のほうに使ってしまっても、農作物にはほとんど影響がなくて、電気も出てくるので、それで農業に必要な熱や動力を賄ったほうが合理的ではないかというもので、今取り組んでおられる方もかなり増えてきています。


●農業の持続と発展のためにこそ太陽光発電の活用が必要


岡本 まだ、こうやって農業をやっている上に太陽光を載せたら農業がダメになるのではないかと、皆さんはどうしても思ってしまうのですけれど、うまく最適化すると、農業のために太陽光をうまく使えるということです。当然バッテリーも使えると思いますし、それだけではなくて、このように置くだけで、太陽光パ...

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