2050年「プラチナ社会」実現への挑戦
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日本が目指すべきは「資源自給・人財成長・住民出資」国家
2050年「プラチナ社会」実現への挑戦(3)資源自給・人財成長・住民出資国家へ
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
2050年には多くの国が脱炭素を達成する見込みだが、日本も森林とエネルギー産業を変革していけば、地方財源が期待できる。また、エネルギーを地元の小企業が賄うことになれば、住民出資・住民所有の道も開ける。それは、資源自給・人財成長・住民出資国家への道に続く。プラチナ社会の希望はそこにある。(全3話中第3話)
時間:13分34秒
収録日:2024年11月27日
追加日:2025年1月1日
≪全文≫

●2025年に向けた世界のエネルギー動向


 では、(再エネ問題について)世界的にはどうなっているのかというのが、この(スライドの)図です。一番左側の2015年以降、世界では新しい発電設備として何に入れ替わっているのかを示した棒グラフです。棒グラフの下から、赤が石炭火力、ピンクがガス火力、水色が水力発電。なるべく直感に近い色にしてあるようですが、上のグリーンがいわゆる再エネで、現実的には太陽光と風力が中心です。

 これを2023年まで見ていただくと、化石資源はどんどん減ってきています。赤とピンク、石炭とガスが減ってきて、2023年になると、90パーセント以上が太陽光・風力・水力を中心とする再エネになってきています。

 しかも、一番上に乗ったグレーがすでに相当量見えていると思いますが、今や(電力に)投資された10パーセント近くが蓄電池になっています。すでに世界は、こういう規模で再エネを導入しているわけです。

 この傾向を分析しますと、おそらく2050年には多くの国が脱炭素を達成しているだろうと思われます。ですから、日本もやればできるのである以上、なんとかして達成したい。


●森林林業が秘める生産性が拓く未来


 (前回は)ソーラーシェアリングのところで、農業収入と売電収入の話をしましたが、なぜそういうことが起こるかというと、土地あたりの生産性は行われることによって異なるからです。

 これ(スライド)は、森林林業の生産性です。要するに、毎年木を切って出荷する。その木を売った売上を1として、大体1ヘクタールで10万円なので、これを1とする。もし同じ面積で農業を行うとどうなるのか。お米をつくると約100万円、最近は上がってきて150万円の場合もありますが、この話の精度であれば森林の約10倍になります。

 ところが発電となると、4,000万円になります。前回、畑の30パーセントに(太陽光発電の設備を)載せて2,000万円という話をしましたが、全部(太陽光発電の設備で屋根を)覆うと4,000万円になる。そうすると、森林の400倍です。前回の事例では農業(野菜づくり)と売電をくっつけて300万円と2,000万円というように7倍になっていたわけです。

 同じように、森林のごく一部、約1パーセントを太陽光にすると、それだけで林業の生産性は1(森林)と4...

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