2050年「プラチナ社会」実現への挑戦
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エネルギー不足克服の鍵「ソーラーシェアリング」に注目
2050年「プラチナ社会」実現への挑戦(2)プラチナ産業イニシアティブ、始動
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
5つの「プラチナ産業イニシアティブ」創りの動きとして、第1弾「プラチナ森林産業イニシアティブ」、第2弾「再生可能エネルギー産業イニシアティブ」がそれぞれ立ち上がっている。それぞれどのような戦略のもと進められているのか。その詳細について、エネルギー不足を克服するための鍵となる「ソーラーシェアリング」という技術と合わせて解説する。(全3話中第2話)
時間:10分44秒
収録日:2024年11月27日
追加日:2025年1月1日
≪全文≫

●プラチナ森林産業イニシアティブ:「森林産業」の需要と供給を提案


 少しご説明しますと、第1弾として創ったのが「プラチナ森林産業イニシアティブ」です。ここでは「2050年にどんな状況をつくらなくてはいけないか」というビジョンづくりに半年ぐらいかけました。その後、そこに向かってどうやって向かうかというプロセスの戦略を練り、今は社会の中に実装していく段階に入っています。

 森林をきちんと維持しなくてはいけない、そのために切って植えるという林業のサイクルを作っていかなくてはいけないと思った人は今までにもたくさんいて、いろいろな組織が多くの提案をしてきました。しかし、どれも実現はしていないわけです。

 われわれの戦略では、需要と供給の両方を考える。需要として大きいものの一つはバイオマス化学です。2050年は石油が使えなくなる時期です。今、石油を原料として膨大につくられているのはプラスチック(製品)ですが、この原料を変えなくてはいけない。ここでバイオマス化学に変わっていく。

 それから、今は都市がコンクリートと鉄でできています。しかし、いわば山の木を都市に移すということにすると、山で生えてきた木はCO2の固定にそのままなるわけですので、「木造都市」とわれわれは言っていますが、バイオマス化学と木造都市という大きな需要で供給を引っ張る、(つまり)上流の一番難しいところを引っ張る戦略です。

 具体的には、およそ1万ヘクタールを一つの規模とする。10キロ×10キロの単位として、今日本国内10箇所で進めようとしています。そうすると、大体みんなに何をやっているかが見えてくるので、全国に展開することができるのではないかと考えています。

 これが2050年に全国展開できると、日本は自給率100パーセントの国になれます。今は40パーセントを割る自給率で、これだけ多くの森林がありながら膨大な量を輸入しているわけですが、それが自給に変わります。

 しかも大きな需要が生まれていますので、(国内で)回る量は今よりも大きくなります。こういうことが可能だというのがビジョンとして分かって、それを具体的にどうやって進めるかという指針と、それをやろうという人々が今、生まれてきているわけです。


●再生可能エネルギー産業イニシアティブ:2050年の大変革に向けた戦略



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