エネルギー問題と世界の潮流を読む
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
2050年、ネットゼロ&再生可能エネルギー自給国家へ
エネルギー問題と世界の潮流を読む(2)日本はエネルギー自給国を目指せ
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
自然エネルギーの特徴は、ほとんどが太陽光に由来することだ。幸いにも地球上に降り注ぐ太陽光は、人類が必要とするエネルギー総量の1万倍に達する。上手にエネルギーに変換し、輸送する技術が確立していけば、2050年のネットゼロはもちろん、将来的に日本がエネルギー自給国となることも夢ではない。(全2話中第2話)
時間:11分25秒
収録日:2021年7月30日
追加日:2021年9月21日
≪全文≫

●自然エネルギーのほとんどは太陽由来


 それでは、自然エネルギー(再生可能エネルギー)にどれだけの量的可能性があるのか。また、自然エネルギーは次にどこにいくのか。これらが非常に重要な問題になってくるのですが、自然エネルギーと申し上げたものの中の「地熱」と「潮の満ち引き(潮汐)」はやや例外的です。

 潮の満ち引きは太陽と月の重力によって起こります。地熱のほうは地球がまだ冷え切っていないので、土の奥に貯まっている非常に高温の熱を使うということです。これら以外は、ほぼ全てといっていいと思いますが、太陽から来ているエネルギーです。

 太陽光はもちろんそうです。太陽光と並んで重要な風力発電は、吹く風の力を使いますが、風が吹くのは太陽光による(空気の)温められ方に大小が生じ、高気圧と低気圧ができて風が吹くわけですから、これも太陽光のエネルギーが変換されたものです。

 それから、太陽光は海からの水を蒸発させ、あちこちに雨として降らせます。そのうちの高いところに降ったものを利用するのが水力ですから、これも太陽がもとになっています。

 バイオマスは、植物が葉緑体の中で太陽光をエネルギーにしてCO2と水から炭水化物と酸素をつくる「光合成」の過程がもとになっています。バイオマスの原料は、一つは木や米のような植物で、途上国では牛の糞なども非常に重要なエネルギー資源になっています。これも結局は牛が植物を食べて糞をするわけですから、もとをたどればバイオマスは全て植物由来で、太陽光によるエネルギーによるものです。


●太陽光の量は人類が消費するエネルギーの1万倍


 これは非常に人間にとっての「僥倖」といってもいいのですが、降ってくる太陽光の量は、同じ時間に人類全体が使っているエネルギーの量の1万倍あります。100倍でも1000倍でもなく1万倍来ているのです。ですから、そのほんの少しを利用すれば、今の人類のエネルギー消費をまかなえるということで、膨大なのです。

 日本のような、面積に対して人口の多いような国でも十分、自然エネルギーだけで国内で消費するエネルギーをまかなうことができるのです。

 太陽光と風力はこれからどんどん使われていくのですが、今、同じぐらい重要なのが水力です。いわゆるダムをつくる方式も多いのですが、大規模ダムをつくる可能性は、地...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念
科学的思考とは「なぜ?」を追究していくこと
岡部徹
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦