●自然エネルギーのほとんどは太陽由来
それでは、自然エネルギー(再生可能エネルギー)にどれだけの量的可能性があるのか。また、自然エネルギーは次にどこにいくのか。これらが非常に重要な問題になってくるのですが、自然エネルギーと申し上げたものの中の「地熱」と「潮の満ち引き(潮汐)」はやや例外的です。
潮の満ち引きは太陽と月の重力によって起こります。地熱のほうは地球がまだ冷え切っていないので、土の奥に貯まっている非常に高温の熱を使うということです。これら以外は、ほぼ全てといっていいと思いますが、太陽から来ているエネルギーです。
太陽光はもちろんそうです。太陽光と並んで重要な風力発電は、吹く風の力を使いますが、風が吹くのは太陽光による(空気の)温められ方に大小が生じ、高気圧と低気圧ができて風が吹くわけですから、これも太陽光のエネルギーが変換されたものです。
それから、太陽光は海からの水を蒸発させ、あちこちに雨として降らせます。そのうちの高いところに降ったものを利用するのが水力ですから、これも太陽がもとになっています。
バイオマスは、植物が葉緑体の中で太陽光をエネルギーにしてCO2と水から炭水化物と酸素をつくる「光合成」の過程がもとになっています。バイオマスの原料は、一つは木や米のような植物で、途上国では牛の糞なども非常に重要なエネルギー資源になっています。これも結局は牛が植物を食べて糞をするわけですから、もとをたどればバイオマスは全て植物由来で、太陽光によるエネルギーによるものです。
●太陽光の量は人類が消費するエネルギーの1万倍
これは非常に人間にとっての「僥倖」といってもいいのですが、降ってくる太陽光の量は、同じ時間に人類全体が使っているエネルギーの量の1万倍あります。100倍でも1000倍でもなく1万倍来ているのです。ですから、そのほんの少しを利用すれば、今の人類のエネルギー消費をまかなえるということで、膨大なのです。
日本のような、面積に対して人口の多いような国でも十分、自然エネルギーだけで国内で消費するエネルギーをまかなうことができるのです。
太陽光と風力はこれからどんどん使われていくのですが、今、同じぐらい重要なのが水力です。いわゆるダムをつくる方式も多いのですが、大規模ダムをつくる可能性は、地...