日本の「新しい成長」実現のために
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
道はあるのになぜできない?新しい成長への改革
日本の「新しい成長」実現のために(4)日本の経済成長のための改革
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
かつては科学技術立国だった日本だが、最近では欧米や中国などに後れを取るケースも目につく。なぜ日本ではイノベーションが生まれにくく、新しい産業が発展していかないのか。第2次世界大戦後の復興を支えた施策、現状に合わない法律などが、成長の芽をつんでいるのではないのだろうか。日本の新たな成長のための改革について考える。(全4話中第4話)
時間:10分43秒
収録日:2023年1月31日
追加日:2023年6月5日
≪全文≫

●新しい産業の誕生を阻害する現行制度


 今現在、日本の経済成長が鈍い、世界に後れをとっていると心配されております。私は、その最大の原因というのは、新しい産業をつくらなくてはならない状況なのに、今ある法律や制度といったものが新しい産業が生まれることを邪魔しているからだろうと考えています。

 これまでに、太陽電池や蓄電池などはすでに汎用品として安くなったのだから、どんどん推進するべきだということ(を話しました)。また、農林水産業を再生可能エネルギーと一体化することで、今まで農林水産業合わせて12兆円だった収入が40兆円~42兆円に上がり、非常に高い経済性が得られるという話をしてきました。

 それからまた、人類は循環社会に向かっているわけですが、それを実現するためのビジネスモデルとして、サブスク型の経済──所有権を法人が持って、個別の消費者に所有権としては売らない──といったモデルが非常にフィットするだろうといったような話をしてきました。

 なぜやらないのか、やればいいではないかということであり、こうしたビジネスを生み出せば、それが経済成長につながるということになるわけです。

 ところが、現在の制度がそれを邪魔しています。これまで、特に第2次世界大戦の後の日本は非常にうまく復活して、世界のトップを走るようになるまでの経済成長を果たしてきました。そのためによかった制度や権限(があり)、あるいはどこがその権限を握っているかという構造があり、それらが邪魔しているということだと、私は思っています。


●再生可能エネルギーへの動きを阻害する日本独自の電力会社の仕組み


 具体的に考えてみると、何が再生可能エネルギーを阻害しているのか。今の送電線がありますが、この送電線への接続という問題がそれを邪魔しているのです。つまり、メガソーラーを作ったり風力発電を作ったりしようとしても、(消費者に届けるには)送電線につながないとならない。ところが、送電線を持っているのは電力会社で、そこがつながせてくれないのです。

 これは送電線に「空き」がないということではなく、空きがあってもなかなかつながせてくれないのです。極めて法外な料金を要求されたりするなどで、現実的につなげられない。なぜかというと、つながせてしまうと自分のところの売電量が減るから、という極めて明確な理由からつながせたくない...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏

人気の講義ランキングTOP10
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
「進化」への誤解…本当は何か?(4)ダーウィンの進化論と自然淘汰の理論
『種の起源』…ダーウィンとウォレスの自然淘汰の理論
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(7)領国経営と秀長の統治能力
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
生き抜くためのチカラ~為末メソッドに迫る(4)人生の勝敗を考える
幸せの鍵「なにげなさ」とは何のことか
為末大
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
島田晴雄
『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ【質疑篇】(1)モンテスキューとルソーの人物像
エピソードが語るモンテスキューとルソーの両極端な人物像
川出良枝