日本の「新しい成長」実現のために
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「ペロブスカイト太陽電池」のサブスクで世界の先端へ
日本の「新しい成長」実現のために(3)循環型社会に合ったビジネスモデル
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
日本の発明品である「ペロブスカイト太陽電池」をいかに世界に先駆けて商品化するか。今後、循環型社会にマッチするシステムはサブスクビジネスによる実験的手法なのかもしれないと、小宮山氏は言う。前回お伝えした再生可能エネルギーと一次産業の組み合わせによる展望について、さらに具体的な方策を呈示していく。(全4話中第3話)
時間:11分08秒
収録日:2023年1月31日
追加日:2023年5月29日
≪全文≫

●「ペロブスカイト太陽電池」のサブスクで社会は激変する


 前回、再生可能エネルギーを一次産業と考えて、農林水産業と一体化させる。それによって日本に魅力的な産業が生まれ、地方が再生するというお話をしました。今回はもう少し具体的な、今やるべきことを申し上げたいと思います。

 ここ(スライド)に「太陽電池」と書きました。これはシリコン系の太陽電池で、発電部にシリコンを使う太陽電池ですが、今や新しい太陽電池が発表されていて、相当のところまで来ています。

 これが「ペロブスカイト太陽電池」というものです。これは日本の宮坂力先生という方による大発見、大発明です。何がいいかというと、プラスチックのフィルムの上に塗れるため、非常に軽くて、非常に安いのです。効率も、研究レベルではシリコンに劣らないところまで来ています。

 ただ最大の問題は寿命で、寿命がどれほどなのかよく分かっていません。もしかすると2~3年しか保たないかもしれない。だから、日本流にいう完成品にするには時間がかかるかもしれません。しかし、効率はある程度できていて、軽くて、フィルムに塗れるものですから、曲げたりできるわけです。

 こうした特徴から、すでに世界の開発競争になっています。放っておけば、また負けるのではないかと思います。日本は完成してからマーケットに出そうとしますが、日本ではまだ必ずしも完成品といわれないようなものでも、世界では売っていく人たちがいるからです。そこで、日本が売りながら開発していくために、例えばサブスクビジネスのような形があります。

 自動車なども、買うのではなく、借りて乗るというビジネスがあります。その特徴は、自動車の所有権をトヨタなりどこかが持っているということです。同じことをペロブスカイトの新しい太陽電池でもどんどん行えばいい、と私は思います。何しろ軽いので、これはちょっとした金具を用いてビルの壁に貼れるのです。


●実験しながらビジネスができるサブスク・システム


 それから、(前回)ソーラーシェアリングについても申し上げました。畑や田んぼに支えの棒を立て、リボンのような形で太陽電池を載せるのだと言いましたが、シリコンでは重いし、ガラスも重く、アルミニウムも重い。全体として、シリコン太陽電池というのは、相当重いものです。

 それ...

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