ESG投資の現状と課題
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
なぜ「脱成長」は解決策にならないか…ESG投資の可能性
ESG投資の現状と課題(1)資本主義とサステナブルファイナンス
経営ビジネス
夫馬賢治(株式会社ニューラル代表取締役CEO/経営・金融コンサルタント/信州大学特任教授)
地球環境の保護、気候変動への対処は、いまや世界共通の課題である。産業革命以降、温室効果ガスの排出量は顕著に増えたが、その要因に資本主義が挙げられている。では私たちは、産業革命以前の社会に戻るべきなのだろうか。それとも…。キーワードは、「脱成長」ではなく「サステナブルファイナンス」。資本主義の原理をうまく活用して課題を克服する道はあるということだ。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分44秒
収録日:2022年7月12日
追加日:2022年11月7日
≪全文≫

●環境・社会・ガバナンスという要素から進める「ESG投資」


―― 皆さま、こんにちは。本日は夫馬賢治先生にESG投資についてお話を伺ってまいりたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

夫馬 よろしくお願いします。

―― 夫馬先生は講談社+α新書さんから『超入門カーボンニュートラル』と『ESG思考』を出版されています。こちらでだいぶESG投資のお話などもお書きになっています。また、中小企業の実例として別の講義でもご紹介していますけれど、『武器としてのカーボンニュートラル経営』(ビジネス社)も出しておられます。

 さて、ESG投資は最近聞くことが多くなってきましたが、なんだろうという方も結構多いのではないかと思います。ESG投資とはどういうものなのですか。

夫馬 まず(ESGという)言葉について、ESGという横文字がピンとこない方もまだまだいらっしゃると思うのですが、Eは「Environment(環境)」のEです。Sは「Social(社会)」のSです。そしてGは「Governance(ガバナンス。日本では企業統治とも訳されます)」のGです。環境、社会、ガバナンスの頭文字を取ってESGという言葉が、世界的に確立しているのです。環境・社会・ガバナンスという要素から、収益性の高い企業を見定めていく。これがESG投資といわれる投資手法ですね。

―― 普通に考えると、なぜESGが投資効率を上げるのか、なかなか難しいと思うのですが…。

夫馬 そうですよね。

―― そのあたりについては、後ほどお話を伺っていきます。


●環境問題に「脱成長が解決策になる」という話はない


―― 先生が著書『超入門カーボンニュートラル』で本質論から迫って、「資本主義がそもそも環境に悪なのか」という問題提起をされているのですが、最近ですと例えば、「人新世(じんしんせい)」ということがいわれています。人類が地球の環境に莫大な影響を与えてしまっているような時代になったときには、もはや資本主義ではダメなのではないか。コミュニズム的といいますか、共産主義的な、別の経済体制がなければダメなのではないかという主張もかなり出されるようになってきました。けれど、そうでもないのではないのかというのが、先生が言っていることですね。これはどういうメッセージですか。

夫馬 まず気候変動の例を取っても、世界的な課題が多くなってい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
重職心得箇条~管理職は何をなすべきか(1)時代に請われ、時代に応えた佐藤一斎
部下を育てるには、まず佐藤一斎に学べ!
田口佳史
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環

人気の講義ランキングTOP10
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
片山杜秀
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(2)神々のささやく世界
「神々のささやく世界」では神々の声が行動を決める
本村凌二
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規