ESG投資の現状と課題
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「気候変動を止める」、長期投資家が果たす大事な役割
ESG投資の現状と課題(3)長期投資家の役割と資本主義の今後
夫馬賢治(株式会社ニューラル代表取締役CEO/経営・金融コンサルタント/信州大学特任教授)
機関投資家の最も強力なプレーヤーは誰かというと、「年金」と「保険」である。長期投資家として、ESG投資の重要性を認知することで投資手法も変わってくる。将来を見据えた気候変動対策が世界的課題となった今、その長期的な視座はますます重要になっている。彼らのミッションは「全企業にESGのパフォーマンスをあげてもらう」こと。同時に今、「気候変動を止める」ための一番の旗振り役にもなっているのだ。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:16分01秒
収録日:2022年7月12日
追加日:2022年11月21日
≪全文≫

●年金と保険――「機関投資家」としての強力なプレーヤーたち


―― (前回)機関投資家のお話をいただきましたけれど、具体的に機関投資家とはどのような感じなのですか。

夫馬 (先述したように)機関投資家の最も強力なプレーヤーが「お金が多い」という意味で誰か(何か)というと、「年金基金」です。しかも「公的年金」といわれる方なのです。これは、資産運用の業界の方にとっては常識的な話なのですが、それ以外の方にはなかなか伝わっていない現実です。

 日本でいうと、「GPIF(Government Pension Investment Fundの略:日本の年金積立金管理運用独立行政法人のこと)」という名前が付いていますけれど、皆さんの給料の明細から勝手に天引きされている厚生年金、それから国民年金、この両方の過去からの積み立て分を運用しているのが年金基金(GPIF)なのです。ですので、今、日本のGPIFだけで約180兆円の資産を運用しているということです。

 「(あれ?)日本の年金はお金がなかったのではないか。でも、(そこに)この180兆円はいったい何なんだろう。お金があるではないか」と思われるのですが、これは過去数十年の積み立て分なので、180兆円からどれほどまでにリターンを増やせるか、これがここから先どれだけ年金を減らせずにいけるかどうかの瀬戸際なのです。ですから、虎の子の180兆円を大事に運用しているところです。

―― これは、絶対増やさなければいけないお金ということですね。

夫馬 絶対増やさなければいけません。失敗したら、来年から年金はもっと減らさなければいけないということになってしまいます。こうした大事な年金基金は、日本にもありますが、公的年金制度は北欧にもあることで有名です。また、ヨーロッパにもありますし、今では韓国、そしてシンガポールやマレーシアにもある制度です。ということで、(機関投資家として強力なプレーヤーは)まず公的年金なのです。

 それ以外にも、企業にお勤めの多くの方は、「企業年金」というものにも入られています。この企業年金も同じく年金基金なので、各国に同じように企業年金があり、彼らも資産運用をしています。実際に企業の株を買ったりして、運用したりします。

 また、他のプレーヤーとして、同じような存在に「生命保険会社」があります。生命保険会社の方々が、最近では「年金型保険」という言い方をしますが、まさに...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(7)領国経営と秀長の統治能力
想像以上に有能――領民に慕われた秀長のリーダーシップ
黒田基樹
「進化」への誤解…本当は何か?(5)ダーウィンの生物紀行
ダーウィン「進化論」執筆の背景…娘の死と信仰との決別
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文