ESG投資の現状と課題
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
注目の「デカップリング」、経済成長と脱炭素は両立可能か
ESG投資の現状と課題(2)デカップリングと機関投資家
夫馬賢治(株式会社ニューラル 代表取締役CEO/信州大学グリーン社会協創機構 特任教授/経営・金融コンサルタント)
今、「デカップリング」の議論が世界中で起こっている。経済成長を実際に起こしながら、温室効果ガスの排出量を減らす、すなわちカーボンニュートラル型に持っていくということだが、果たしてそれは可能なのか。どうすれば、経済成長と気候変動対策を両立させることができるのか。その鍵を握るのがESG投資である。それを支える機関投資家の話と合わせて解説する。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分45秒
収録日:2022年7月12日
追加日:2022年11月14日
≪全文≫

●経済成長と温室効果ガス排出削減の両立に向けた「デカップリング」


―― 前回のようなお話を聞くと、疑い深い人は、そうは言いますけどそれは理想論で、そう簡単にはいかないですよという反応も出てくるかもしれません。しかし、先生の本を読むと、実はもう世界の投資のあり方がそちらの方向に動いているというお話をされています。よくいわれるのが、1パーセントの金持ちがガッポリと稼いでいて、99パーセントは貧乏だというような話ですけれど、実はそんな姿ではないのだというのが大変印象深かったのですが、このあたりについてはいかがでしょうか。

夫馬 まず、世界で「デカップリング」というものが実際に起きてきているということを説明しなければいけないと思います。

 「この問題はそんな簡単ではない」という方々にとって、一つの根拠の柱になっているのが「デカップリング議論」というものです。デカップリングという言葉は、「デ」という接頭辞が付いているカップリングのことです。カップリングはカップルで「組ませている。両者が伴っていく」ということなので、もともとカップリングの世界としては、「経済成長すれば必ず温室効果ガスは増える。これは切り離せないものなのだ」ということです。しかし、デカップリングというときにはそうではありません。経済成長を実際に起こしながら、温室効果ガスの実質をカーボンニュートラル型に持っていくことができる。これがデカップリング論といわれているものです。

 デカップリング論自体は、2000年代の後半から、むしろ気候変動に関する科学者側から出てきた概念でした。これが経済界に入ってきて、「なんだ。できるのであればわれわれはそちらに向かうよ」ということで、カーボンニュートラルの思想的な大きな柱になっているのです。

 では、デカップリングが起こり得るということがどうして言えるようになってきたのでしょうか。これは、まさに2010年代に起こってきた現実なのです。2010年代にデカップリングが確認されている場所に、例えばドイツやスウェーデンがあります。なぜ経済成長を続けたのに温室効果ガスが大幅に下がってきたのか、その理由は本当にシンプルです。2010年代に起きた温室効果ガスの大量の削減は、再生可能エネルギーによるものです。

 ドイツやスウェーデンなど、ヨーロッパでは電気が火力から再生可能エネルギーに変わるとい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
イーロン・マスクの成功哲学(1)マスクが「世界一」になるまで
イーロン・マスクは何がすごい?生い立ちと経歴
桑原晃弥
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(5)「3つ」で組まれた構造分析
驚くほど似ているギリシアの『オデュッセイア』とインドの『マハーバーラタ』…その謎に迫る
松村一男
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
司馬遼太郎のビジョン~日本の姿とは?(5)移動と破壊と自由の実現
徳川家康ではなく織田信長…司馬文学が描く「別の可能性」
片山杜秀