アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
健康と医療
堀江重郎(順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授)
アンチエイジングの一番の方法は、食事をあまり取らないことで活性酸素を増やさないことである。しかし、カロリー制限はリバウンドにもつながりやすい。そこで、ヨーロッパやアメリカで流行しているのが、「5:2ダイエット」である。その方法について学んでみよう。
時間:13分36秒
収録日:2018年11月15日
追加日:2019年3月5日
収録日:2018年11月15日
追加日:2019年3月5日
≪全文≫
●アンチエイジングは活性酸素を抑えることである
皆さん、こんにちは。順天堂大学の堀江です。今日は、アンチエイジングの最新の話題、そしてその中で一番話題となっている食事の取り方についてお話ししてみたいと思います。
私たちは、エイジング、加齢に伴う変化を日々感じています。顔を知っているのですが名前を思い出せない、筋肉が減ってゴルフの飛距離が落ちてくる、健康診断では血圧が上がっている、体脂肪も増えている、骨の密度も減っている、あるいは毎日夜中に行くおしっこの回数が増えている、こういったいろいろな変化を感じています。
こういった変化を一言でいうと、加齢あるいは老化といわれますが、そのメカニズムとして一番直接的な大きな原因は、われわれの持っている細胞の遺伝子(DNA)が酸化してしまう、つまりさびてしまうことだと考えられています。さびてしまう原因は、私たちの体の中でできる活性酸素です。これはいろいろな化学反応を起こしやすい酸素の一つの形ですが、これが直接DNAに働くことによって酸化してしまうということが問題になってきました。
アンチエイジングというのは、いろいろな形を耳にします。お顔のしわを取るとか、体の中の余分なところを取り捨てるといった話がよく出てきますが、根本的なアンチエイジングを一言でいうと、DNAの傷をなるべく少なくすることです。実はアンチエイジングは年を取ってから始めるものではなく、生まれた瞬間から始まっているということになります。
今、活性酸素というお話をしたのですが、これは簡単にいうと、私たちが食事を取って、そこから熱を生み出します。体の細胞の中でエネルギーをつくっていくとき、必ず活性酸素が出てきてしまいます。若い頃はこの活性酸素を効率よく消してしまうメカニズムが働くのですが、だんだん加齢とともにそのメカニズムが少なくなり、活性酸素が増えていってしまうということです。
例えば、私たちは唾液の中に含まれているDNAのさびの度合いを測ることで、活性酸素の影響が多い、少ないということを測定しています。活性酸素の影響が大きくなると、そこには、血圧が高い、あるいはおしっこの回数が多い、あるいは動脈硬化が進んでいる、場合によってはうつの気分になっているなど、いろいろなファクターがあ...
●アンチエイジングは活性酸素を抑えることである
皆さん、こんにちは。順天堂大学の堀江です。今日は、アンチエイジングの最新の話題、そしてその中で一番話題となっている食事の取り方についてお話ししてみたいと思います。
私たちは、エイジング、加齢に伴う変化を日々感じています。顔を知っているのですが名前を思い出せない、筋肉が減ってゴルフの飛距離が落ちてくる、健康診断では血圧が上がっている、体脂肪も増えている、骨の密度も減っている、あるいは毎日夜中に行くおしっこの回数が増えている、こういったいろいろな変化を感じています。
こういった変化を一言でいうと、加齢あるいは老化といわれますが、そのメカニズムとして一番直接的な大きな原因は、われわれの持っている細胞の遺伝子(DNA)が酸化してしまう、つまりさびてしまうことだと考えられています。さびてしまう原因は、私たちの体の中でできる活性酸素です。これはいろいろな化学反応を起こしやすい酸素の一つの形ですが、これが直接DNAに働くことによって酸化してしまうということが問題になってきました。
アンチエイジングというのは、いろいろな形を耳にします。お顔のしわを取るとか、体の中の余分なところを取り捨てるといった話がよく出てきますが、根本的なアンチエイジングを一言でいうと、DNAの傷をなるべく少なくすることです。実はアンチエイジングは年を取ってから始めるものではなく、生まれた瞬間から始まっているということになります。
今、活性酸素というお話をしたのですが、これは簡単にいうと、私たちが食事を取って、そこから熱を生み出します。体の細胞の中でエネルギーをつくっていくとき、必ず活性酸素が出てきてしまいます。若い頃はこの活性酸素を効率よく消してしまうメカニズムが働くのですが、だんだん加齢とともにそのメカニズムが少なくなり、活性酸素が増えていってしまうということです。
例えば、私たちは唾液の中に含まれているDNAのさびの度合いを測ることで、活性酸素の影響が多い、少ないということを測定しています。活性酸素の影響が大きくなると、そこには、血圧が高い、あるいはおしっこの回数が多い、あるいは動脈硬化が進んでいる、場合によってはうつの気分になっているなど、いろいろなファクターがあ...
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