この講義シリーズは第2話まで
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新しいアンチエイジングへの挑戦
朝食を抜いてもいいの?治療法や検査の見極め方は?
新しいアンチエイジングへの挑戦(5)テロメアとアンチエイジングの本質
健康と医療
堀江重郎(順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授)
「朝食を抜くと良くない」といわれるが、医学的にはどうなのか。また、テロメアは縮んでいくものということだが、伸びることもあるのか。その他、食事の具体的なタイミングや疑わしき治療法に惑わされないための心構えなどアンチエイジングの本質について、今回から2回にわたり前回までの講義を受けた質疑応答編としてお送りする。(全6話中第5話)
時間:10分28秒
収録日:2024年6月26日
追加日:2024年11月7日
収録日:2024年6月26日
追加日:2024年11月7日
≪全文≫
●食事の時間は8時間以内?
【質問】
―― 私は普段、朝食を抜いているのですが、一方で「朝食を抜くと良くない」といわれることも多いです。その点は医学的にどうなのでしょうか。
堀江 まさに、それが今の医学ではいちばん素晴らしい食事法です。食事をする時間が1日のうちの8時間です。この8時間はどこに設定してもいいのですけれど、お昼ごはんと夕ごはんを召し上がる人は朝食を食べない。あるいは、朝と昼を食べる人は、夜はあまり食べない。イギリス人はそういう人が多いのですけれど、それがいちばんいいといわれています。ですから、3食バランスよくとよくいっていますけれど、これはあまり意味がないといわれています。
ただ、若い人、子どもなどは発達、成長の段階ですので、これは当てはまらないと思います。
【質問】
―― 今、8時間というお話がありましたが、何が8時間なのでしょうか。
堀江 食事をする時間ですが、1日のうちの8時間以内です。ですから、お忙しい人ですと、昼夜というのがいちばん簡単だと思います。腸内細菌を休ませるということが重要だということが分かってきたのです。
ただ、その腸内細菌が全てではないので、もちろん、例えば3食をとって栄養を摂ったほうがいい方もいます。だから、全てにこれが当てはまるということではなくて、一般的な考えといっていただいていいかと。
●テロメアの研究から分かるアンチエイジングの本質
【質問】
―― テロメアはどんどん縮んでいくものと思っていたのですが、伸びるということがあるのですね。
堀江 それは素晴らしい質問です。というのは、実はこのテロメアの測定に関しては、テロメアを見つけた人はノーベル賞を取ったエリザベス・H・ブラックバーン先生といいまして、この人はもうすでに引退されていまして、そのお弟子さんがサンフランシスコのUCSFというところにいるのですけれど、彼女と共同研究をしていまして、このお話をしたのです。
なぜテロメアに興味を持ったのかというのは、先ほど(第1話)のがん治療(の話)で、どうしてだべっていると倍も生存期間が延びるのか(に関係があります)。実は、あの事実は世界で最高の雑誌に載っているにもかかわらず、乳がんの教科書では一切触れていないのです。
なぜかというと、乳がんの専門家が関わっていないし、お薬を使っていないのです。製薬企業も使って...
●食事の時間は8時間以内?
【質問】
―― 私は普段、朝食を抜いているのですが、一方で「朝食を抜くと良くない」といわれることも多いです。その点は医学的にどうなのでしょうか。
堀江 まさに、それが今の医学ではいちばん素晴らしい食事法です。食事をする時間が1日のうちの8時間です。この8時間はどこに設定してもいいのですけれど、お昼ごはんと夕ごはんを召し上がる人は朝食を食べない。あるいは、朝と昼を食べる人は、夜はあまり食べない。イギリス人はそういう人が多いのですけれど、それがいちばんいいといわれています。ですから、3食バランスよくとよくいっていますけれど、これはあまり意味がないといわれています。
ただ、若い人、子どもなどは発達、成長の段階ですので、これは当てはまらないと思います。
【質問】
―― 今、8時間というお話がありましたが、何が8時間なのでしょうか。
堀江 食事をする時間ですが、1日のうちの8時間以内です。ですから、お忙しい人ですと、昼夜というのがいちばん簡単だと思います。腸内細菌を休ませるということが重要だということが分かってきたのです。
ただ、その腸内細菌が全てではないので、もちろん、例えば3食をとって栄養を摂ったほうがいい方もいます。だから、全てにこれが当てはまるということではなくて、一般的な考えといっていただいていいかと。
●テロメアの研究から分かるアンチエイジングの本質
【質問】
―― テロメアはどんどん縮んでいくものと思っていたのですが、伸びるということがあるのですね。
堀江 それは素晴らしい質問です。というのは、実はこのテロメアの測定に関しては、テロメアを見つけた人はノーベル賞を取ったエリザベス・H・ブラックバーン先生といいまして、この人はもうすでに引退されていまして、そのお弟子さんがサンフランシスコのUCSFというところにいるのですけれど、彼女と共同研究をしていまして、このお話をしたのです。
なぜテロメアに興味を持ったのかというのは、先ほど(第1話)のがん治療(の話)で、どうしてだべっていると倍も生存期間が延びるのか(に関係があります)。実は、あの事実は世界で最高の雑誌に載っているにもかかわらず、乳がんの教科書では一切触れていないのです。
なぜかというと、乳がんの専門家が関わっていないし、お薬を使っていないのです。製薬企業も使って...