●老化を制御する2つの仕組みからアンチエイジングを考える
これから、どういうことをしようかということで、今度は人間の加齢の変化をなんとか戻せないかということを考えてきています。
これは昨年(2023年)、ウガンダという国がございまして、アフリカの真ん中なのですが、マウンテンゴリラを見に行きたくなりました。一応、名目は国立ムガベ大学とあるのですが、そこの病院の指導ということで行ったのです。実は、このゴリラを見にウガンダへ行きました。首都のカンパラから700キロぐらいあります。車で飛ばして、ルワンダとコンゴの国境にマウンテンゴリラがいました。ちなみに、日本の動物園にはマウンテンゴリラはいません。今、日本にいるのは、ローランドゴリラというもっと低いところの(種)です。
このゴリラは、人間でいうと80歳ぐらいだそうです。群れのボスで、シルバーバックという、背中が少し白くなっているのです。皆さんも、やはりいくつになってもこういった形で活躍をしていきたいと思われているのではないかと思います。
老化を制御するということは、簡単にいうと、最大寿命を決める仕組みをなんとかできないかということです。あるいは、加齢に伴って健康度を低下させるメカニズムをなんとか解明できないかということがあります。
ただ、よく考えてみると、アンチエイジングとは何だろうということを考えてみると、例えば40歳のときに死亡する確率は、男性は0.1パーセント、女性は0.06パーセントなのです。もし、この40歳の死亡率のままずっと、どの年齢もこの(男性が)0.1パーセント、(女性が)0.06パーセントということになると、人の寿命はだいたい1000歳ぐらいになってしまいます。ずっとこのパーセンテージでいくと、です。
(また、もし死亡率が)75歳で男性が2.8パーセント、女性が1.2パーセントで、このままずっとその後の人生をいくとなると、やはり200歳近くになってしまうのです。
ですから、それが実際の人間としての最大寿命かということや、最大寿命を延ばせるかということは、今のところまだ医学の社会では分かっていないのです。死亡する確率を減らすということと、もう1つ、実際にある年齢から若返っていく、例えば70歳から10歳若返っていく...