●寿命を測る「テロメア」と「生物学的年齢」という指標
見た目という問題があります。見た目が若い人とか、見た目が老けているということです。見た目が若い人が基本的には長生きします。
今、一番簡単な寿命の物差しとして「テロメア」というものがあります。皆さんのDNAをしまっている、染色体というところがあるのですが、この端っこの部分をテロメアといいます。この部分は、「おぎゃあ」と生まれたときが一番長いのです。体が大きくなっていくと、どんどん短く縮んでいきます。消しゴムを使っていくのと同じです。
男性と女性では、男性のほうが早く短くなっていきます。ただ、この赤い点が1人ひとりのテロメアの長さを示していますので、同じ年齢でも非常に違うということが分かるのです。男性の60歳が女性では72歳なのです。ですから、テロメアの長さからいっても、女性のほうが長生きするようにできているわけなのです。
今、このテロメアに加えて、その人の暦の年齢と実際の生き物の人としての年齢を測るということについて、世界中でコンテストをやっています。
生物学的年齢(バイオロジカル・クロック)というのですけれど、例えば、暦の年齢は72歳ですけれど、生物学的年齢は64歳であれば、うれしいですよね。72歳が暦の年齢ですけれど、生物学的年齢は76歳だというと、何かしなければと皆さんも思われると思います。これを今、世界的に研究者がコンテストをしておりまして、先日、その第一次予選が、250の研究チームがエントリーして、30チームぐらいが予選を通過しました。私のチームが、今、世界6位で通過しました。1位はMIT、2位がハーバードのグループですけれど、おそらく5年ぐらいの間に、こうして年齢を測るということが広まっていきます。
ですから、「NMNは本当にこの年齢を若くしてくれるのですか」とか、「幹細胞治療は若くしてくれるのですか」とか、意外に納豆をひと月食べたら若くなったとか、そういうことが全て測定可能になってくるという時代になっています。
そういうことから、生物時計は伸び縮みするということで、人によってこの時計の進み方が違います。1年365日あって...