老いない骨のつくり方
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健康寿命に大きく影響する骨粗鬆症・歯周病・変形性関節症
老いない骨のつくり方(1)高齢化と骨の病気
健康と医療
鄭雄一(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻教授)
東京大学工学系研究科・医学系研究科教授の鄭雄一氏による「老いない骨のつくり方」シリーズ講話。鄭氏はレクチャー冒頭で、「情報に溺れず正しい情報を選択する能力がいかに大切か」と語り、誤った情報は「人生の栄養失調」につながりかねない、と情報過多時代に警鐘を鳴らした。第1回目では骨の病気に関する正しい知識を得る。(全5話中第1話)
時間:9分37秒
収録日:2016年9月14日
追加日:2016年10月20日
≪全文≫

●正しい情報を選択して「人生の栄養失調」を防ぐ


 東京大学の鄭雄一と申します。大学で医学と工学、両方を教えているものでございます。今日は「老いない骨のつくり方」ということで、骨に関する健康の話をさせていただきたいと思います。なお、本講演では要点を示しまして、細かい点に関しましては、シリーズ最終話でご紹介しますがテキストがございますので、もしよろしければそちらを参照なさってください。

 まず最初に「情報の洪水に溺れないため」にということで、健康に関する情報について述べさせていただきます。現在、ネットなどには健康に関する大量の情報がございます。これはとてもいいことなのですが、実は、この情報の多くは結構間違っています。そうすると、この中から正しい情報を選別しなければいけないということになります。選別がうまくできないと誤った情報を受け取ってしまうのです。この多くが迷信と言われるものだからです。選別する能力がないと、せっかく大量の情報があるのに、間違ったことをしてしまうということになってしまいます。

 正しい情報を得れば、健康で豊かな人生、将来の正しい投資ができることになりますし、逆に誤った情報をつかんでしまうと、情報がたくさんありながら一種の栄養失調のような状態になり、時間もお金も健康も無駄にして、ひいては人生の栄養失調になってしまいます。ですから、本講ではいかに正しい情報を選別することができるようになるかというところに、重点を置きたいと思っています。


●世界有数の高齢化先進国・日本


 本日は、「骨と健康に関して基礎的知識を身に付ける」、そして「論理的で現実的な考え方を身に付ける」、この2点についてお話ししていきたいと思います。本日の構成ですけれども、スライドで示すように6つに分けています。最初に「高齢化と骨の病気」についてお話しいたします。

 日本はご存じと思いますが、高齢化先進国です。テンミニッツTVで小宮山宏先生(テンミニッツTV座長で三菱総合研究所理事長)もおっしゃっていますが、日本は課題先進国で、高齢化先進国です。世界でも有数の長寿国です。ちょっと古い統計ですが、2006年は女性1位、男性2位で、その後も毎回トップ3前後に入っている状況です。100歳以上は2007年の統計で約3万2,000人ですが、(1997年からの)10年間で4倍になっており、その後4万人を超えています(2...

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