老いない骨のつくり方
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軟骨の最大リスクは過剰なメカニカルストレスがかかる肥満
老いない骨のつくり方(3)骨の生理的老化と病的老化
鄭雄一(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻教授)
宇宙から帰って来た宇宙飛行士にリハビリが必要なのは、無重力空間で体重から解放された骨が「もう働かなくていい」と判断され、溶かされていくからだという。東京大学工学系研究科・医学系研究科教授の鄭雄一氏が伝える「老いない骨のつくり方」。第3回目のテーマは「骨の生理的老化と病的老化」だ。(全5話中第3話)
時間:9分31秒
収録日:2016年9月14日
追加日:2016年11月3日
≪全文≫

●男女で異なる「骨の生理的老化」曲線


 三番目に「骨の生理的老化と病的老化」について述べたいと思います。まず、骨の生理的老化についてです。

 骨がどのように老化していくかは、誰でもだいたい決まっています。まず、子ども時代ですが、第二次性徴が始まって青年期に入っていくあたりで骨の量は一気に激増します。これは性ホルモンによるものです。それから20歳~40歳ぐらいまではほぼ一定で、その後、年を取るにつれて、だんだん減っていくという流れです。

 女性の場合、最大骨量へ向かうのは男性同様に第二次性徴のときですが、だいたい40歳~50歳で閉経を迎えます。このときに女性ホルモンが減るため、骨の量はガクッと落ちますが、その後はゆっくりと減っていきます。

 今、「最大骨量」と言いましたが、20歳~40歳ぐらいに到達する骨の量のことです。これは、中年から老年期に差し掛かると、だんだん落ちていきます。グラフには、点線で骨折閾値を設けました。ここより骨の量が減ると、骨折しやすくなるという値です。

 女性の場合、80代後半ぐらいからはほぼ皆さんが入ってきてしまいます。男性は大きな異常さえなければ、骨折しやすくすることはありません。


●骨が「病的老化」するのは、10代のころのツケ?


 さて、40代以降で骨量が次第に下がっていくのは何が関係するのかというと、性ホルモン、成長因子、カルシウムやビタミンDの代謝などが関係しています。また、最大骨量を決めるのは何かというと、やはり運動や食べ物をはじめ、さまざまな因子が関係してきます。

 このような最大骨量が低下していくこと、あるいは骨量の減少が加速することが、「病的老化」を招くということになります。

 例えば、若い頃にきちんと運動しなかったり、極端な栄養不足になったり、あるいはホルモン異常があったりすると、最大骨量は減ってしまいます。人よりも少ない骨量でスタートするわけですから、老化の経緯自体は普通であっても70代に入って骨折しやすくなる人がいます。

 また、平均的男性は骨折閾値を下回らないと言いましたが、骨量の増える時期にきちんと食事をしなかった場合、最大骨量は下がりますので、男性でも骨折しやすくなることがあります。これらを病的老化と呼んでいます。


●骨の病的老化を起こすリスクファクター1:食事


 では、骨の病的老化を起こすリスクファク...

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