●内臓脂肪の減少が健康の鍵
健康診断の結果が悪い人がやると効果絶大なこと、ということを最後にお伝えしたいと思います。
今、内臓脂肪のお話をしたわけですけれど、まず内臓脂肪を点検してほしいのです。私がいつもお話しするのは、もし余分な内臓脂肪がたまっていたら、とにかくラッキーと思ってほしいということです。
なぜかというと、今お話ししたように、内臓脂肪がたまっていれば内臓脂肪のサイズを、(つまり)大きくなっているものを元に戻せば、内臓脂肪から分泌されてくるいろいろな物質は出なくなるわけです。
例えば、アンジオテンシノーゲンやTNF-αなど、そういったものも出なくなるわけです。そうすると、血糖(値)が高くなったり、血圧が高くなったりということが改善されるわけです。血圧も正常化しますし、血糖(値)も下がってきます。そうすると、その血管変化を起こしていくような次のステップに進んでいくということが改善され、最終的な血管障害にも至らないのです。つまり、内臓脂肪を減らすことによって、こういったリスクファクターを改善することができるので、健康障害を簡単に、比較的簡単に防ぐことができる。これが内臓脂肪なのです。
だから、内臓脂肪がある人はむしろラッキー、何をすればいいかが明確なので、内臓脂肪が少したまっていて、かつ血圧や血糖(値)、尿酸(値)が高い人は、これさえ減らせばいいのだなと考えてほしいと思います。
一方、内臓脂肪がなくて、血圧や血糖(値)、尿酸(値)が高いという人は、こういったリスクファクターの集積があると、そのまま放っておけば腎機能(の障害、つまり)腎臓の血管が傷んだり、心臓の血管が傷んだりしてきますので、これらを1つ1つ退治していかないといけなくなるわけです。
例えば、(高)血圧なら、塩分のことを考えないといけないですし、血糖(値が高い人)の場合は、糖分の多いものを1回にどれぐらい食べたのか、全体の総エネルギーを摂りすぎていないかとか、1個1個点検が必要になってくるわけです。また、尿酸(値が高い人)も、プリン体の多いものを食べているかどうかという点検が必要だったり、ということになるので、いろいろやらないといけないことが出てくるわけです。
それを考えれば、内...