●運動しても簡単になくならないコレステロール、中性脂肪との違いを知る
さて、その次に、「血管をより長く守る時代の健康管理の考え方」第4条です。「『コレステロールは運動では減らない』ということを知っておこう」ということをお話ししたいと思います。
コレステロールも、皆さん、とても関心が高い項目なのです。少々コレステロールが高くても、また運動するから大丈夫ですとお話しされる方が多いのですが、実はコレステロールは運動では単純には減らないということをぜひ知っておいていただきたいなと思います。
脂質異常症というと、コレステロールだけではなくて、中性脂肪というものがあります。中性脂肪とコレステロールをごちゃごちゃと捉えがちなのですけれど、中性脂肪とコレステロールは全然性質の違う血液の中の脂(あぶら)なのだということをぜひ知っておいていただきたいと思います。
まず、中性脂肪のほうをお話しすると、中性脂肪は極めて単純な脂(あぶら)です。中性脂肪は私たちのからだにとってのガソリン、エネルギー源になるものであり、またからだに入って今(すぐ)使わなければ、血液の中には置いておかずにきちっと備蓄をします。これが脂肪細胞に備蓄するということになるのです。つまり、内臓脂肪の中身は中性脂肪ですし、皮下脂肪の中身も中性脂肪ということになります。
この中性脂肪は、エネルギー代謝が増えると、つまり筋肉でたくさん燃やしてくれると、消費されます。そして、血液の中はきれいになります。あるいは、口からこのエネルギー源を補給しなければ、血液の中には余らずに燃えて、なくなってくれるということになるわけです。とても扱いやすいのがこの中性脂肪だけれど、毎日動くためには必ず必要になるエネルギー源ということになります。
一方、コレステロールは、まったく異なる脂(あぶら)になります。コレステロールは使い道が決まっているのです。1点目は性ホルモン、ステロイドホルモンといったホルモンを作る材料になる。そうした仕事があるのがまず1つ目です。
2点目ですが、このコレステロールは細胞膜を作る材料になっています。先ほど、内皮細胞の話をしましたけれど、血管の壁も細胞の寄り集まりで面を作っているわけなのですが、このコレ...