「自分をコントロールする力」の仕組み
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
実行機能を高める方法は?…重要な生活習慣と親子関係
「自分をコントロールする力」の仕組み(5)実行機能を伸ばす環境要因
森口佑介(京都大学大学院文学研究科教授)
実行機能には、さまざまな環境要因によって個人差が生じる。実行機能の発達を高めるためには、規則正しい生活を送る必要がある。また円滑な親子関係や夫婦関係も、ストレスなく子どもが発達していくために重要である。実行機能は自分で目標を定め自己を抑制していく力なので、過保護も悪影響を与えることになる。適度なしつけと子どもの自主性を重んじる姿勢が親子関係には求められているのだ。(全6話中第5話)
時間:9分35秒
収録日:2020年12月8日
追加日:2021年3月28日
≪全文≫

●実行機能の発達で重要なのは規則正しい生活習慣


 前回は、実行機能は子どものときから青年期にかけて発達していくというお話しをしました。そして、実行機能が高い子もいれば低い子もいるという話もしてきました。このような個人差がどのようにして生まれるかという点について、お話ししたいと思います。

 現在、実行機能がIQよりも注目されている理由は、実行機能は環境の要因の影響を受けて変化しやすいためです。知能や頭の良さを測るIQについて考えてみると、子どもの頃にIQが高いと大人になっても概ね高い水準が維持されます。逆に、子どもの頃にIQが低いと、大人になっても低いままの場合が多いです。つまり、ある個人の中では、生涯を通じてIQは非常に安定していると考えられています。

 一方、実行機能はIQとは異なり、子どものときに高いからといって、その後も高いとは限りません。逆に、子どものときに低くても、良い訓練や教育を受ければ、高くなる可能性があると実証されています。つまり、実行機能はIQに比べて、教育や保育、子育ての影響を受けやすいのです。したがって、子どもが小さい頃に実行機能の発達をしっかりと支援してあげれば、青年期になって道を踏み外す可能性を低くできるのではないかといわれて、注目を浴びているのです。

 それでは、実行機能の発達において、どのようにすれば高めることができるのでしょうか。これが今、非常に世界中で注目されています。これは当然のように思われると考えられますが、重要なことは、規則正しい生活習慣です。

 まずはやはり睡眠です。1日の合計の睡眠時間ではなく、特に夜間に寝る時間の長さが重要だといわれています。保育園や幼稚園では昼寝の時間が設けてあるために、昼に寝てしまった分、夜に寝られないこともあるかもしれません。しかし、夜に寝ている間に脳の修復が行われ、成長することが分かっているので、夜に寝ることが重要なのです。例えば夜の9時、あるいは遅くとも10時頃までの決まった時間に寝て、朝の7時頃にきちんと起きるという習慣をつけて、たっぷりと夜間に睡眠を取ることがまず重要だということです。

 二つ目は、メディアとの付き合い方です。テレビや、最近ではスマートフォン、タブレットなどの影響で、家庭内の会...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
ユダヤ神話の基本を知る
ユダヤ教の神話…天地創造、モーセの十戒、死後の世界
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(14)小宮山宏先生:知識の構造化のために
【10min名作探訪】テンミニッツ・アカデミーの意義と発想法
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏
知識の構造化のために(1)テンミニッツTVの問題意識
「知識の爆発」の時代、不可欠なのは世界の全体像の把握
小宮山宏
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(5)陸軍悪玉論の中の名将たち
武力を持ったエリート官僚たち…陸軍悪玉論と個々人の決断
門田隆将
ウェルビーイングを高めるDE&I(1)人と組織を取り巻く環境変化:前編
人材はコストではない!人的資本経営が注目されている背景
青島未佳
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(1)同時代性の罠を乗り越える
『逆・タイムマシン経営論』が訴える「同時代性の罠」とは
楠木建
イノベーションの本質を考える(3)イノベーション事例
カシオのデジカメが起こしたイノベーション
楠木建
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
鶴見太郎