新型コロナ問題の現在地とこれからの課題
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日本で感染率が低い要因は「ファクターX」ではなく生活風習
新型コロナ問題の現在地とこれからの課題(2)日本の「ファクターX」
日本における感染者数の少なさよりも、欧米における死亡率の高さの方が注目に値することが、最近になって分かってきた。この傾向は、重症化に繋がるファクターを特定する上で役に立つ。日本での感染者の少なさは、医学的な問題よりもおそらく生活習慣によるものである。また、日本では現役世代の死亡率は低いので、高齢者の外出を抑制するという条件のもとで、経済活動を徐々に再開していく必要がある。(全5話中第2話)
※司会者:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分46秒
収録日:2020年7月16日
追加日:2020年8月8日
≪全文≫

●欧米における高い死亡率から見えてくるもの


―― ありがとうございます。曽根先生、前回の小宮山先生の分析に対してコメントいただけますか。

曽根 はい。ヨーロッパ・アメリカとアジア、あるいは中東の差異の原因は、学問的にはもちろん、現実の政策の観点からも重要です。特に日本だけ取り上げて「ファクターX」の存在を強調する、つまり日本固有の現象だとして、日本が特に優れているとする議論もあります。しかし、このデータからは日本だけが特に優れているということは出てこないわけです。

 むしろ、欧米でこれほど死亡者が多い理由を問う必要があります。一つの仮説として、欧米人は血液が凝固しやすいことが高い死亡率につながっているという議論があります。コロナウイルスは肺の病気を引き起こすと思われていましたが、同時に心臓や脳、肺に血栓を引き起こしやすく、その影響が大きいことが最近分かってきました。

 もう1つの点は、小宮山先生の指摘の通り、基礎疾患を抱えている人は、重症化するリスクが非常に高い傾向があります。これはアメリカのCDCのデータです。アメリカのデータはサンプル数が約100万人という規模なので、大量のデータから見える傾向があります。その中で、心臓疾患や糖尿病、慢性肺疾患、そして基礎疾患ではないですが肥満なども、重症化と大きく関係していることが分かってきました。

 それでは、これらの人たちが重症化しやすい、あるいは死亡リスクが高い理由は何なのでしょうか。徐々に分かりつつあるのは、軽い炎症を起こしている人は、この新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいという傾向があるようです。今後より詳しく調べる必要がありますが、医学的な知見も増えつつあります。しかし同時に、いまだに分からないことも多いのです。


●日本の感染者の少なさはおそらく生活習慣に起因する


―― はい。今、曽根先生から「ファクターX」に関して指摘がありましたが、小宮山先生の見解はいかがでしょうか。

小宮山 事実が明らかになるにつれて、日本の「ファクターX」はない、というのが今の共通理解だと私は思っています。日本では、感染者の数が非常に少ないですね。これはおそらく、世界一ともいえるきれい好きな文化や、それからハグやキスなどの接触が、少な...

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