最強の臓器「皮膚」のふしぎと最新医療
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
皮膚医療を変える皮膚常在菌の可能性と個別化医療の将来
最強の臓器「皮膚」のふしぎと最新医療(3)未来の皮膚医療
椛島健治(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 教授)
未来の皮膚医療のカギになるものの一つに「皮膚常在菌」がある。腸の健康を左右する腸内細菌同様、善玉菌と悪玉菌のバランスにより、皮膚のみならず全身の健康増進が期待できそうだ。最後に、症状に応じたきめ細かな個別化医療の可能性、臨床の知恵に基づいた創薬など、今後の医療をより明るいものとしていく話を伺った。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分30秒
収録日:2023年5月30日
追加日:2023年8月26日
≪全文≫

●皮膚常在菌――善玉菌と悪玉菌のバランスが重要


―― それではもう一つ、未来の皮膚医療ということについてもお話をお聞きしたいと思います。こちらの『皮膚のふしぎ』の本でやはり非常に印象深かったのが、「皮膚常在菌」というのでしょうか、皮膚に常にいる菌があるというお話です。

 腸内細菌などというものは聞くことが多いのですが、皮膚にも常に細菌というものがあって、いろいろな働きをしている。そこに注目することで、治療の方向もいろいろあるのではないかということを先生がお書きになっていました。ここを簡単に教えていただくと、どういうことになりますでしょうか。

椛島 たぶん、この番組(テンミニッツTV)を見られている方も腸内細菌という言葉はよく聞かれているかと思います。具体的には、例えば潰瘍性大腸炎という病気の方に、健康な方の便に存在している腸内細菌を口から入れれば、その潰瘍性大腸炎がよくなる(ことがある)。(もちろん)全員ではないのですが、そういう方がおられるというような報告がなされてきたことから、腸の中にいる菌が健康あるいは病気に関わっているということが分かってきました。

 それと同様、皮膚にもいろいろな菌がついています。これは、不潔だから、あるいは清潔にしているからということではなく、多様な菌、細菌や真菌、ウイルスなどいろいろなものがついていて、互いに共存し合って、われわれの健康な皮膚を維持しているのです。ですから、菌がまったくない状態というのは、実はあまり皮膚にとってはよろしいわけではないのです。

 そういう中で、例えばアトピー性皮膚炎になると、黄色ブドウ球菌という「悪玉菌」といわれる菌が増えることが分かっています。一方、表皮ブドウ球菌という菌をはじめとする「善玉菌」というものがあり、そういう菌が多い場合には、皮膚のバリアや炎症を抑えてくれる。だから、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れるとアトピー性皮膚炎が増悪するというようなことが分かってきています。

 そういうところに注目して、日本でもそういう領域を研究されている先生方がおられますし、海外のほうでも臨床研究が進んでいます。アトピー性皮膚炎の患者さんに善玉菌を植え付けると、菌のバ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
1分チャージ! 新・エクササイズ理論
たった1分で効果を上げる新運動理論と攻めのダイエット
堀江重郎
歯科の健康づくり(1)「噛める」ようになると人が変わる
噛み合わせや歯の健康が人間の健康にとっていかに大事か
河原英雄
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
「人生100年時代」の抗加齢医学と前立腺ガンの予防
前立腺ガンの進行を止めるための三次予防
堀江重郎
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
今どきの若者たちのからだ、心、社会(1)ライフヒストリーからみた思春期
なぜ思春期は大事なのか?コホート研究10年の成果に迫る
長谷川眞理子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(24)「皇室典範改正」を考える
【10minで考える】「皇室典範改正」社会の空気をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
天皇のあり方と近代日本(4)三島由紀夫VS東大全共闘
「人間天皇」を否定した三島由紀夫の思想が問うものとは
片山杜秀
日本の財政の真実を検証する(5)財政政策で経済は成長するか
どうすれば経済成長できるのか…財政政策の可能性と限界とは?
宮本弘曉
老子の神髄(7)『老子道徳経』「去用第四十」
緊張や怒りをコントロールするには?老子に学ぶ精神と肉体の関係
田口佳史
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(2)在留邦人の生命財産を保護する決断
武装解除の「厳命」を守るか、戦って在留邦人の「生命」を守るか
門田隆将
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(2)大規模言語モデルが孕む問題
AIは頭のないオウム?…AIがAIを引用する世界に創造性はあるか?
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(5)孝公・恵文王の時代と商鞅の変法
秦はいかに強大な国になったのか…「商鞅の変法」でどう改革したか
鶴間和幸