最強の臓器「皮膚」のふしぎと最新医療
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皮膚から始まるアレルギーマーチ、スキンケアは超重要
最強の臓器「皮膚」のふしぎと最新医療(2)アトピー性皮膚炎とアレルギーマーチ
椛島健治(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 教授)
国民のほぼ1割が悩むアトピー性皮膚炎。子どもの頃に発症すると、その後いろいろなアレルギー疾患が行進していくかのように現れる「アレルギーマーチ」につながる例も多いという。かつては「アレルギー体質」と考えられていたものが、近年の研究では状況が変わろうとしている。例えば、食物アレルギーはその始まりとして「経皮(皮膚から入って起こす経路)」から反応するほうが大きいのではないかというのだ。そこで非常に大事になるのが皮膚への適切なケアである。今回は最新の治療方針とスキンケアの重要性について解説する。(全3話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分22秒
収録日:2023年5月30日
追加日:2023年8月19日
≪全文≫

●アレルギーの始まりは「経皮」から


―― それでは先生、つづきまして、アトピー性皮膚炎についてお話をうかがいたいと思います。

 先生がお書きになった『皮膚のふしぎ』に、非常に印象深いお言葉として、「アレルギーマーチ」という言葉がありました。アトピー性皮膚炎というのは主に出生直後から幼児期に発症するということでしたが、発症してしまった方が次々に、いろいろなアレルギー症状を起こしてしまうというお話でした。さらに、私もこれはまったく存じ上げなかったのですが、たとえば食物アレルギーなども、いわゆる「経口(口から食べたもの)」よりも、「経皮(皮膚から入って起こす経路)」で反応するほうがかなり大きいのではないかというお話も書いてありました。

 このあたりは非常にわれわれの常識を覆してくれる内容だと思ったのですが、そのあたりのお話をいただいてもよろしいでしょうか。

椛島 はい。まず、一般的にアレルギーというと、皮膚ではアトピー性皮膚炎、肺ではぜんそく、目では結膜炎、鼻では鼻炎、腸管では食物アレルギーです。このように、アレルギーはいろいろな臓器で起こるわけですが、基本的にアレルギーというものは、異物を排除しようという免疫機構と考えていただくといいかと思います。

 例えば花粉が目に入れば、涙を流して花粉を流す。鼻に入れば、鼻水を出して花粉を外に出そうとする。皮膚の場合は、引っかくことで皮膚に入ろうとするものを除こうとする。呼吸器だったら咳が出る。そうやって異物を除こうとするのがアレルギーなのです。

 これまでは、各々違う臓器で起こるアレルギーは独立して起こっているというように、疫学的には考えられていました。ただ、子どもの頃にアトピーだった人は将来的に食物アレルギーや鼻炎、ぜんそくなどになりやすいことも同時に分かっていて、それを今までわれわれは「アレルギー体質」という言い方をしていました。


●皮膚から始まる食物アレルギーのメカニズム


椛島 ただ、その実態はあまりよく分かっていなかったのですが、近年になって(状況が変わろうとしています)。食物アレルギーですが、子どもでは牛乳アレルギーや卵アレルギーを起こすことが結構多いのではないかと思います。

 例えば牛乳アレルギーがなぜ起こるかというと、赤ちゃんはミルク(牛乳)をあ...

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