ナノテクノロジーでがんに挑む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
mRNAを利用した膵臓がんの「血管新生阻害療法」とは
ナノテクノロジーでがんに挑む(6)ユニットPICとmRNAによるがん治療
片岡一則(ナノ医療イノベーションセンター センター長/東京大学名誉教授)
がん治療におけるユニットPICとメッセンジャーRNA(mRNA)の具体的な活用事例を紹介する。ドラッグデリバリーシステム(DDS)の観点から、がん治療に新たな可能性を与える2つの画期的な事例は、ナノマシンがもたらすことになる医療革命に説得力を与えてくれる。(全8話中第6話)
時間:10分30秒
収録日:2021年5月12日
追加日:2022年4月2日
≪全文≫

●ポリマーとsiRNAのランデブー


 ここから先は少し専門的になりますが、ユニットPICは非常に面白いのです。これは安定に見えますが、実はフラスコの中では常に相手のポリマーと置き換わっています。つまり化学平衡(平衡状態)にあります。

 この動画を見ていただくと分かりますが、赤が紫に変わる、紫が赤に変わるようにして、常に置き換わっています。このように安定化しています。

 本当にこれが体の中で起きているのですかと思われるかもしれません。

 それを調べるために、また再び蛍光のエネルギー移動を使います。今度はポリマーのほうにドナー、つまり与えるほうの蛍光色素をつけます。siRNAのほうには受け取るほうの蛍光色素をつけています。この二つがドッキングした場合、ドナーを励起するとそのエネルギーがアクセプターに移るので、アクセプターの蛍光が出ます。

 これを実際に動物の体の中で行います。まずはポリマーだけをマウスに全身投与します。そうすると、当然フレット(FRET)など起きず、蛍光のエネルギー移動は起きないので、青が見えるはずです。

 実際に血管の中は青いのです。

 そのあとにsiRNAを打ち、これが本当にポリマーに捕まえられると蛍光のエネルギー移動が起きるので、今度は赤くなるはずです。

 このように赤くなります。

 念のため、標識していないポリマーを半分量入れると、半分だけ置き換わるので、ちょうどこの真ん中の緑になります。

 ですから、この血管の中でポリマーがほぼ選択的にsiRNAとランデブーをしています。ポリマーとsiRNAがランデブーしているのです。

 ここでは宇宙空間の話が出ていますが、実は血管の中は宇宙空間より難しいのです。

 いろいろなタンパク質や細胞がたくさんあり、実態は人混みの中で赤い帽子を被...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
驚異の味噌パワー
味噌で免疫力向上、がん抑制、放射能除去…発酵食品の効果
小泉武夫
最新の腰痛医療(1)導入された二つの医療と慢性腰痛
高齢者だけじゃない! 若年層にも腰痛が増えている
菊地臣一
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
1分チャージ! 新・エクササイズ理論
たった1分で効果を上げる新運動理論と攻めのダイエット
堀江重郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(7)エクイティ実現と特権性の理解:後編
パワハラもコンプラも…企業内エクイティで大事な「境界線」
青島未佳
AI時代と人間の再定義(2)仏法僧の三宝と対話による道徳的進歩
考えるとは相手の頭を使って考えること…共同で思考する意義
中島隆博
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション
睡眠不足が生活習慣病や精神疾患を招く…睡眠の5つのミッション
西野精治
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎