進化医学からみた現代の病気
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
30分以上同じ姿勢はNG!生活習慣病の予防としてすべきこと
進化医学からみた現代の病気(2)感染症と生活習慣病
長谷川眞理子(総合研究大学院大学名誉教授)
厚生労働省による感染症の類型分けを見ていると、そのほとんどが1900年代以降に発生していることが分かる。しかもこの100年で急増している。なぜ近代において病気が増えているのか。また、それらを防ぐにはどうすればいいのか。生活習慣病についての話と合わせて解説する。(全3話中第2話)
時間:8分14秒
収録日:2021年11月15日
追加日:2022年1月11日
≪全文≫

●感染症による危ない病気は近年発生したものばかり


 ここではまず感染症について話をしたいと思います。

 厚生労働省は感染症を類型分けしていて、1類、2類、3類、4類があります。これらは大変な感染症として位置づけられていて、1類、2類の場合、本人を入院させる、あるいは物を消毒します。中でも1類は交通制限をかけるなど、ある種の措置をしないと危ないと思われているものです。3類の場合、就業制限をする、または触ったものを消毒します。4類の場合、動物への措置も含め、消毒をしなければいけないというものです。

 こういう怖い分類がありますが、これ以外に、入院、消毒、交通制限、就業制限などいろいろなことを総動員しないといけないと思われた場合、指定感染症になります。新型コロナウイルスはこれに当たります。

 1類、2類、3類、4類にはどんな病気があるかというと、エボラ(出血熱)やクリミア・コンゴ出血熱、天然痘、ペストなどいろいろあります。病原体が何であるか、人獣共通か、媒介するのは何かなどをまとめた表を作りました(上表)。

 見てほしいのは、そういう病気が最初に見つかって大変になったのがいつ頃かということです。エボラ(出血熱)は1976年です。クリミア・コンゴ出血熱はクリミアで1944年、コンゴで1956年です。マールブルグ熱(マールブルグ病)は1967年です。ラッサ熱は1969年です。古いものでは、天然痘が1万年ぐらい前から、ペストが2500年ぐらい前からということが、いろいろな記録から分かっています。つまり、この表で言いたいのは、危ない病気のほとんどは最近起こったものだということです。

 感染症2類も、ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)などいろいろな病気があります。結核が1万年ぐらい前にありました。あとは、SARS、MERSはどちらも2000年に入ってからです。

 3類のコレラは、1817年のインドが最初です。細菌性赤痢はたぶん1万年前だといわれています。

 4類にもいろいろあります。キツネなどが罹ったりして人獣共通のエキノコッカス症(エキノコックス症)や黄熱病も古くからあります。あとはいず...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
最新の腰痛医療(1)導入された二つの医療と慢性腰痛
高齢者だけじゃない! 若年層にも腰痛が増えている
菊地臣一
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
驚異の味噌パワー
味噌で免疫力向上、がん抑制、放射能除去…発酵食品の効果
小泉武夫

人気の講義ランキングTOP10
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(6)陰謀論とユダヤ人
ユダヤ人を巡る「陰謀論」の裏を読む…ロシア革命とユダヤ人
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(11)日本史から読むメンタルヘルス
【10min解説】與那覇潤先生《日本人とメンタルヘルス》
テンミニッツ・アカデミー編集部
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(序)『ばけばけ』と『神国日本』
ラフカディオ・ハーンの遺著『神国日本』の深い意義とは?
賴住光子
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之