●現代における病気の種類とその発生原因
皆さん、こんにちは。長谷川眞理子です。
今日は「『病気』の進化」という話をしたいと思います。特に現代社会の私たちが、毎日行っている生活の仕方と、病気との関係についてお話しします。
病気、すなわち体の不具合は何らかの形で、またいろいろな意味で必ず起こります。ただし、その多くは現代社会の暮らしによるところがあります。そのため、現代社会の暮らしに対する提言を最後にしたいと思います。
病気は体の不具合で、原因や種類はいろいろあります。昨今の新型コロナウイルスのような感染症もあります。感染症はウイルスが体に寄生して、私たちの体を搾取して自分たちが増える、つまりパラサイト、寄生者です。病原菌、ウイルス、原虫などの、小さい微生物が原因となり、それが人に寄生して起こる疾患です。これは個人がそれに対してどれほど耐性、抵抗性があるかなど、その人の持っている遺伝的な資質なども少しは関係しますが、だいたいは降ってきた災難として罹ることになります。病原体と接触することが、広まることの一番の原因です。
その次に、病気とはいっても、「生活習慣病」と呼ばれるタイプの病気があります。これは、パラサイト、すなわち病原菌ウイルスなどがきたわけではありません。例えば食事の構成や、どんな寝起きをするかなどの毎日の暮らしの仕方が全部絡まって、私たちの体が本来のようにきちんとは働かなくなることです。これは、まさに生活習慣がもとになった不具合です。
また、そこに遺伝子の変異や、個人がどんな遺伝子を持っているかが関係しているものもあり、例えば2型糖尿病や、ある種の乳がんなどを発症しやすい人がいます。これらは、自分の生活様式をドラスティックに変えることができれば、病気のリスクをかなり軽減することができます。しかし、この世の中で今、誰もが暮らしているので、それ(生活様式、環境)を変えるのは難しいでしょう。
さらに、ある人が持っている遺伝子の変異によって、病気が引き起こされる遺伝疾患もあります。有名なのは、染色体の数が増えてしまうことで起きるダウン症です。ダウン症で生まれた子どもは、はじめから遺伝子の構成が変異を起こしているので、病気になってしまうということです。あとは...