ウィズ・コロナ時代の医学展望
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病床数世界一の日本がコロナ禍で露呈した医療体制の問題点
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新型コロナウイルス感染症に関する日本の“いま”を知る
ウィズ・コロナ時代の医学展望(1)日本のコロナ対策とその問題点
堀江重郎(順天堂大学大学院医学研究科 特任教授)
世界を大混乱に陥れた新型コロナウイルスによるパンデミック。2020年1月の時点で現在のような状況を予測できた人はどれくらいいただろうか。本シリーズ講義では、これまでに新型コロナウイルスについて分かってきたことを解説しながら、日本のコロナ対策を振り返り、その問題点を指摘する。(全4話中第1話)
時間:10分34秒
収録日:2021年9月1日
追加日:2021年9月30日
≪全文≫

●過去にもコロナウイルスによるパンデミックが起こっていた


 皆さんこんにちは。順天堂大学の堀江重郎です。今日は「ウィズ・コロナ、ポスト・コロナの医学展望」ということでお話しします。私自身は泌尿器科医で、専門家ではないですが、以前国立感染症研究所の主任研究官をしていたこともあって、今感じていることについて、少しお話させていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

 最初のスライドですが、これは2020年のダイアモンドオンラインに出ていた記事です。「波乱を暗示する『庚子』の2020年、新型肺炎が世界を覆う可能性」と見出しがありますが、2020年1月の段階で、今現在を想定できた方はどれぐらいいるでしょうか。そういう意味で、この記事は今思うと本当にびっくりするといいますか、その着眼が素晴らしかったと思います。

 さて、この新型コロナウイルスについてもいろいろなことが分かってきました。過去にも恐らくコロナウイルスのパンデミックがあったことも分かってきました。これはいわゆる「ロシアかぜ」といって、1889~1895年にかけて、世界で100万人の方が亡くなったと言われている、大流行したパンデミックのウイルス感染症です。

 このロシアかぜは、現在のウズベキスタンである旧ロシア帝国から広まって、わずか4か月という、当時としては非常に速い速度で、北半球全域に拡大したことが知られています。興味深いことに、当時ヨーロッパの致死率は、最初の感染のときがだいたい4パーセントで、2回目のときも3パーセントに近く、これは最初のコロナのときの、いわゆる武漢株がだいたい2~3パーセントだったので、それと一致しています。

 興味深いのは、この流行の中で、やはり人類が部分的に免疫を獲得して、今に至るまで、成人の9割はこのロシアかぜのOC43といわれるコロナウイルスに対する抗体を持っていると言われています。


●いかにして免疫力をキープするか


 そして、今お話しした、いわゆる抗体あるいは免疫は、今はワクチンを打つことによって、B細胞が獲得免疫の抗体をつくります。しかし、後ほど少しお話しますが、免疫においては、抗体だけではなくて、T細胞が担う細胞性免疫も重要な役割を果たしてい...

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