●膵臓の2つの役割
―― 皆さま、こんにちは。
糸井 こんにちは。
―― 本日は糸井隆夫先生に膵臓の病気についてお話を伺いたいと思っております。糸井先生、どうぞよろしくお願いいたします。
糸井 よろしくお願いいたします。
―― 膵臓ということで、もちろん、名前は皆さん知っていると思うのですけれど、どんな臓器なのだろうということもございますし、またもう反面、例えば膵臓がんなどは見つけづらくて、見つかってしまうとなかなか治りづらいというか、けっこう死亡率も高いだなんて話を聞くのですが、まず最初に、膵臓というのはそもそもどういう臓器なのかというところでございます。これはどう理解すればよろしいでしょうか。
糸井 皆さん、膵臓といわれても、どこにあるのか、どんな形をしているのか、なかなか分からない方も多いと思いますので、今回はこの小さなぬいぐるみを使ってお話ししたいと思います。
―― かわいいぬいぐるみですね。
糸井 かわいいですね。まず、だいたい位置としては胃の裏側にあります。胃の裏側にあって、長さは、これ(ぬいぐるみ)は少し小さめなのですけれど、普通は15~20センチメートルぐらいです。膵臓の頭、膵頭部と呼ばれるところの幅が3センチメートルから4センチメートルです。後ろのほうは、どちらかというと細長くて、これの幅がだいたい2~3センチメートルとなっています。さらにもちろん厚さがありますので、膵臓の厚さはだいたい2センチメートルぐらいということで、臓器としてはわりと小さな臓器といわれています。
働きは、いわゆる膵液、アミラーゼとかリパーゼとか消化酵素を出すような外分泌というような役割と、あとはご存じだと思いますけれど、インスリンという、血糖値を下げるようなホルモンを出す内分泌を出す部分と、この2つの役割を持っております。
―― 先ほどの膵液というのは、これが消化を助けるということになるのですか。
糸井 そうですね。いわゆる「外分泌」と呼ばれるものですけれど、アミラーゼとかリパーゼとかそういったものは、脂肪、タンパク質とか、そういったものを分解する酵素です。これが膵臓で作られて、十二指腸乳頭という膵臓の管の出口から十二指腸に出てきます。それで食べ物と混じって、そして食べ物が分解されるということになります。
―― もう一方の...