グローバル環境の変化と日本の課題
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分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」
グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援
石黒憲彦(独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)理事長)
グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6話中第5話)
時間:10分16秒
収録日:2025年1月17日
追加日:2025年4月1日
≪全文≫

●ジェトロが取り組む企業活動の促進


 ここから先は、私どもも微力ながら、今(第4話で)言ったような好循環の流れの動きを促進するためのことをいくつか具体的にやっておりますということを、残りの5分から10分ほどでお話しします。

 資本、技術、人材が国内外で循環するエコシステムの形成ということで、まず対日投資の促進をしているというのが1つです。

 それから(次のスライドですが)、真ん中のほうに「J-BR!DGE」とありますが、国内の企業でだいたい2000社ぐらいでしょうか。それから、海外の企業で数100社がデータベースになっているのですけれど、共用連携のビジネスマッチングといったようなことも「J-BR!DGE」という事業でやっています。

 それから、「J-Startup」と書いてありますのは、日本のスタートアップ業界の中でVC(ベンチャーキャピタル)というものが有名ですけれど、VCは最近もうシードマネーを提供しないのです。それで、だいたいレイターステージのほうに投資するようになっています。

 アクセラレーターという人たちがシードマネーを提供するのと、それからアクセラレーションのいろいろなプログラムを持っていました。これは一種の勉強なのですけれど、プレゼンの仕方とか、あるいはビジネスモデルをどう変えていくかとか、そういったようなことのスタートアップに対する教育をやるのですが、こういったアクセラレーターをわれわれジェトロが紹介をして、日本のスタートアップをアメリカやシンガポールとかそういった国々のアクセラレーターとつなぐといったような事業をやっています。

 特に日本のVC(の状況)が悪いなと私が思うのは、資金回収のためになるべく早く上場させようとするためです。けっこう小さく公開してしまって、その後、育たない企業は多いのです。しかも日本の創業者は欲がないのか、100億(円)ぐらいポケットに入れるともう十分だと思って止めてしまうということも多くて、なかなかユニコーンが育たないのです。ユニコーンを育てるという意味では、やっぱり海外のアクセラレーターとか、VCにどうつなぐかというのがすごく大事なので、こういったようなこともやっています。

 それからもう1つが、高度外国人材の日本企業への紹介もやっています。まず日本...

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