グローバル環境の変化と日本の課題
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デジタル赤字のからくり、中国からの撤退モード…課題は?
グローバル環境の変化と日本の課題(2)日本が直面する課題
石黒憲彦(独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)理事長)
日本が直面する最大の課題は人口減少と高齢化である。2100年には現在のおよそ半分となる6300万人にまで人口が減るだろうと推計されている。そうした状況の中で、円の価値は下がり続け、GDPは近隣諸国に追い抜かれている。打開策はどこにあるのか。アメリカ、中国を中心に、日本企業をとりまく世界の経済動向と日本の課題を解説する。(全6話中第2話)
時間:7分24秒
収録日:2025年1月17日
追加日:2025年3月11日
≪全文≫

●日本の最大の問題は人口と高齢化


 それがまず日本を取り巻く世界の環境だと捉えていただいた上で、日本が直面する課題をお話していきたいと思います。

 私自身は、日本の最大の課題は人口問題と高齢化の2つです。今(2020年時点)、1億2615万人いますが、これが2070年には8700万人です。2100年になりますと、6300万人という推計があります。2100年に6300万人というのは、皆さんからすると遠い話かと思うかもしれませんが、お考えいただくと、皆さんの孫は2100年に生きている可能性があります。その頃に6300万人しか日本人がいない。今のやや半分近くなのです。

 そうすると、そのときに本当に日本が成長できるような国なのかどうかというのはすごく疑問符が付きます。ですから、1人当たりGDPがどんどん上がっていくような仕掛けの国にしていかないと、相当貧しくなっている可能性があります。これくらい構造的に大変な問題が目の前にあるということです。

 実はその頼みの1人当たりGDPはどうなのだということでご覧いただきますと、日本の1人当たりGDPは全然伸びていないのが実態であり、どんどんといろいろな国に抜かれています。お隣の韓国、台湾にも抜かれるという状況になっておりまして、このグラフの通りです。

 一方、今の円のレートなのですが、いわゆる物価水準を考慮した上で貿易の上でどの通貨をどのぐらいの量使っているかを勘案して、本当の意味での円の価値を指数化して計算したのが実質実効為替レートというものです。

 これをご覧いただくと、円がひとり負けなのがお分かりいただけるかと思います。本当に円の実力が弱くなっているというのがこのグラフの意味するところです。

 しかも、皆さんがお気づきの通りなのですけれど、大企業は基本的にはASEANなどを中心にしながらどんどん海外展開しましたので、結果として外で作って外で売るというビジネスモデルになっているわけです。国内に残っている製造業などは単純に日本国内のマーケットを前提にした構造になっています。結果として原材料費だけが高くなって、コスト増になっていきました。それで企業物価が上がって苦しんでいるというのが今の実態です。

 ですから(スライドの...

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