「新しい資本主義」の本質と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
新しいニーズを創造するために日本企業が見直すべきこと
「新しい資本主義」の本質と課題(5)消費者のニーズと日本企業の課題
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
現在のビジネスの難しさは、以前とは違って何が満足する商品・サービスなのか、消費者のニーズが見えにくくなっていることにある。新しいニーズという観点でいえば、失敗を繰り返しながらも「スマホのある生活」という新しい世界をつくり出したスティーブ・ジョブズに学びたい。そのためには、短期的な収益を確保することが至上命題になっているという現状を見直す必要がある。(全6話中5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:6分57秒
収録日:2021年11月22日
追加日:2022年2月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●消費者が満足する製品は何か、分かりづらくなっている


―― 最近の日本企業を見ていると、夢を訴える力がないというのでしょうか。昔はもっと、「こういう素晴らしいものが来ますよ」「これによってこんな良いことになりますよ」という明確なビジョンを打ち出せていた日本企業も多かったように思います。ですが、最近は守りに入っている、あるいは言い訳を含めた言動もあるのではと感じるので、そうした訴える力が弱くなってしまっている気がします。

 またデータでいろいろと見えるようになってきた時代の中で、どうすればそういったものを効果的に打ち出せるかという点も、かつてとずいぶん変わってきていると思います。そこで、日本企業が考えていくべきはどういうことなのでしょうか。

柳川 繰り返しになりますが、夢やワクワクするものがあまり感じられなくなった原因として、昔は「とにかく安い製品がほしい」「こういう家電がほしい」など消費者のニーズが明確だったので、企業側もアピールしやすかったのです。「このような製品です。当然、皆さん喜んでくれますよね」ということが打ち出しやすかった。どういった夢を製品やサービスによって実現させやすいかということを、企業側がとても把握しやすかったし、消費者も「このような製品は素晴らしい」と思うことが割と簡単にできました。

 ところが今は、かなりの部分がある程度満足できているので、どんな製品を、どんなふうにつくり出せば消費者が満足してくれるのか、消費者が熱狂してくれるかということが、なかなか分からなくなってきている時代なのです。そこに一番の難しさがあるのでしょう。

 そのため、「こういう製品は素晴らしくないですか」というアピールから組み立てていかなければいけない。ここが、日本企業がなかなか得意ではなかったという面があると思います。


●失敗を許容し、多くの取り組みを行うこと


柳川 2つ目ですが、そうやってアピールをしていこうとすると、少し時間がかかるのです。また、失敗も許容しなければいけません。

 よくいわれる話ですが、新しいニーズをつくり出したという意味では「スマホ」があります。最初にスマホが登場したとき、本当に意味をなすのかと思われたのですが、今われわれはスマホがなければ生活もできないようなニーズを生み出しました。それはスティーブ・ジョブズが生み出したビジョン...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(39)上野誠先生の万葉集講義と現代
【10min解説】万葉集に学ぶ「公務員倫理法」の大失敗?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(6)ピョートル大帝の宗教改革
王座に乗った革命家・ピョートル大帝の「宗教改革」と、ソビエト時代のロシア正教の「弾圧」と「利用」の実情
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(2)良き対話のための「問い方」の技法
良き対話のための「問い方」の技法とは?…ソクラテス流に「YES、NO」で答えさせ、お互いの考えを確認して進む
納富信留
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
『源氏物語』を味わう(3)形容詞からの楽しみ方
美しい形容詞の使い分け…『源氏物語』の表現を味わう
林望
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
ロシア「内政・経済・外交」の真実(1)国民の支持を意識するプーチン政治
ウクライナ侵攻も支持率対策か…プーチン政治の実態に迫る
上月豊久
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎