地政学入門 歴史と理論編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
地球儀を俯瞰する!?国際政治を読むために重要な地図の見方
地政学入門 歴史と理論編(2)なぜ地理が重要なのか
小原雅博(東京大学名誉教授)
国際政治を地理的要素に着目して分析するのが地政学だが、なぜ地理が国家間の政治を考える上で重要な要素になるのか。その理由は地理が持つ「不変性」にあると小原氏は言う。また、地理を考えるときに欠かせないのが地図で、見方によってその中心に位置する国や地域が変わるため、世界の見え方、政治的な意味合いも変わってくる。そんな地理と政治の奥深い関係を、具体的に地図を見ながらひも解いていく。(全7話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分52秒
収録日:2024年3月27日
追加日:2024年5月7日
≪全文≫

●地理という客観的な条件が国際政治の分析に欠かせない理由


―― 続いて、スパイクマンの言葉を挙げていただいております。

小原 はい。ここに書いてあるように、「地理とは外交政策において最も基本的なファクターである。何故ならば地理は不変であるからである」はスパイクマンの言葉で、あとでまた出てきますが、大変な地理学者です。地政学においては、著名な大地理学者なのです。その下にハンス・モーゲンソーの言葉もありますが、彼のいいたいことは、パワーとして考えた場合、地理はとにかく基本的には与件であって、客観的な要素として変わらないということです。

 よくいうのが、中国と日本の関係です。中国の隣国である日本は、ここから引っ越しはできないということをよくいいます。「一衣帯水」といいますが、こういう関係はどこもありますけれど、隣に中国という国があって、この中国と古代から日本はいろいろな関係を持ってきたわけです。したがって、中国とはもうどんな時代が来ようとつきあっていかないといけないのです。

 そうした地理というものの客観性、あるいは不変性といったものがあるので(すが)、実は国際政治というのは非常に複雑で多様で、かつ曖昧な部分もかなりあるわけです。

 なぜかというと、政治上の本質は基本的に人間の本性が関わってきますから、例えばプーチンが何を考え、どう行動するのか、習近平が何を考え、どう行動するのか、金正恩にしろ、バイデンにしろ、トランプにしろ、「人間が本当に合理的に行動するのかどうか」、つまり合理的に行動するということであれば、1つの法則ができて、学問として成り立つわけですけれど、それが全く不合理な行動をしてしまうというところで、なかなか先が読めないのです。

 そうした先が読めない中で、地理というのは、そういったある種の客観性があって不変性があります。だから、そこをしっかり読み解いていくと、先を読む1つのヒントというものが与えられるのです。そこには歴史もあるわけです。「なぜこんな戦争が起きたのだ」という背後に、実は地政学というものがあって、そこは変わらないのです。

 ひょっとすると同じようなことが将来起こるかもしれないよという、歴史のアナロジーというのでしょうか。単純な類推はいけないのですけれど、そうして歴史を研究することに...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(3)水戸藩の問題と安政の大獄
安政の大獄は失政!?…井伊直弼は何を見誤ったのか
山内昌之
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
ギリシア悲劇への誘い(7)ギリシア悲劇を論じた歴史
アリストテレス、ニーチェ…哲学者によるギリシア悲劇批評
納富信留
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹