世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神
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技術大国、勤勉、金持ち…ジョークにみる日本人の昔と今
世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神(3)日本人ジョークと時代背景
早坂隆(ノンフィクション作家)
日本人のイメージはかつては技術大国・ハイテク国家というところから、高品質で高い技術力をジョークにしたものが多かった。加えて、世界一勤勉といわれた日本人をネタにしたジョークもその特色だった。しかし、そのイメージは今、薄れつつある。時代によって笑いも変わってくるが、今回は言葉遊びのジョークから、諷刺に対する意識などについて見ていく。(全4話中第3話)
時間:12分38秒
収録日:2024年3月14日
追加日:2024年6月28日
≪全文≫

●圧倒的な技術力、勤勉が日本人のジョークになっていた時代


―― 2000年代の本を見ていると、印象深いのが技術大国ネタというのがあります。

早坂 それもありましたね。日本というとハイテク国で、そのイメージは強いものでした。

―― 圧倒的に凄いというイメージで語られていますので、また1つご紹介します。

「メイド・イン・ジャパンの最新型のパソコンが発売されました」、とまずありますが、だいたい、最近、メイド・イン・ジャパンの最新型パソコンというのが世界で売っているのか、という時代になってしまいましたけれど、当時は売っていたのでしょう。

早坂 違和感なくこうでしたね。

―― それで、「テレビCMではこう宣伝された。『このパソコンを使えば、あなたの仕事は半分になります』。それを聞いたイタリア人が、ポソリとこうつぶやいた。『明日、このパソコンを2台買おう』」。

早坂 うーん。イタリア人、バカですね(笑)。

―― そういう落とし方ですね。日本人がそういうことを言ったのに対して。

早坂 イタリア人はけっこうこういうキャラで出てくるのですが、日本人というと、そういうハイテク技術大国というものがかつてはありました。日本製のハイテク機器が出てくるという感じです。

―― 何か他にもありましたね。日本人技術者が地獄に行って、ウォシュレットやら、エスカレーターやら、全部作ってしまって、天国の人が「それをこっちによこせ」と言ったという話もあります。

早坂 そうそう、あります。あと、亡くなった人が地獄に行って、そこにいた番人に「日本製の地獄がいいか、中国製の地獄がいいか」と言われ、なぜだと聞きます。地獄ですからもう一緒なわけで、針で刺される機械があったりして、どちらでもいいじゃないかと言うと、「ただ中国製のほうは故障が多いので」という、そういうネタもありました。

―― いいネタですね。

早坂 そういうハイテクのイメージもだんだん(なくなり)、日本といってもピンとこなくなっています。

―― もう1つご紹介します。先ほどのものは2009年のほうですね。

早坂 パソコンの話はそうです。

―― 『世界の日本人ジョーク集』の中にあるのですが、こちらは2006年の『世界の日本人ジョーク集』です。

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