世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神
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世界が驚いた!コロナ禍の日本人をジョークにすると…
世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神(2)世界と日本のジョークの違い
芸術と文化
早坂隆(ノンフィクション作家)
ルーマニアで集めたジョークを皮切りに、「世界のジョーク集」に発展させていった早坂氏。その中で気づいたのは、世界と日本のジョークではマナーに違いがあるということである。例えば、欧州ではジョークを話す人に対してある種のリスペクトをするが、日本人はそれがつまらなければ辛辣な反応をするというのだ。今回の講義では、世界と日本ではジョークにどんな違いがあるのか、笑いの文化が地域によっていかに異なるかを語っていただく。(全4話中第2話)
時間:16分40秒
収録日:2024年3月14日
追加日:2024年6月21日
≪全文≫

●世界と日本ではジョークを話す人へのマナーが違う


―― そもそも、一番最初にその紛争地のジョークをお書きになったときに、そのきっかけになったのはルーマニアでのご体験だったということでしたけれど、先生はそのルーマニアで、孤児など、マンホールに住んでいるような子どもたちの取材をされて、ノンフィクションの本をお書きになられていますが。

早坂 首都のブカレストで、マンホールに住んでいる子どもたちが、もう何百人といました。もう20年ちょっと前の話なのですが、その取材をしたくてルーマニアに移住し、マンホールに潜りながら取材をしていたのです。そんな中でルーマニアのジョークというか、ルーマニア語では「バンク」というのですけれど、バンクがたくさんあって、驚きというか、面白いなあと思ったのです。

―― それはいわゆるジョーク、バンクがある日常なり、その光景というのは、皆さんどういうふうにしてやっているのですか。

早坂 何か、日本と違うなというところでいうと、例えば友人同士でお酒を飲んでいるときに、「最近1つ新しいバンクを聞いたんだけど」と言って披露し始めるというような場があったり、また、家庭の中でお父さんが、「このバンク、知ってるか?」と言って話し始めたりするところを何度か見ました。

 それで、こういう感じで笑い話をするというのは日本ではないかなと思ったのです。アメリカなどでもそのような感じはあるのですが、何か新鮮ですよね。日本でそのような、「ちょっと笑い話を最近聞いたけれど、聞いてくれ」などということはないですね。

―― そうすると、周りはどういう反応をするのですか。

早坂 周りは、ジョークをこれから話そうとしてくれる人に対して、それを邪魔してはいけないというか、ある種のリスペクトがあるのです。例えば、もしそのジョークを知っていたとしても、「あっ、それ知ってる、知ってる」などとは言いません。それがマナーなのです。

―― なるほど。

早坂 日本だとけっこう、何か話の中で、「あっ、それ、知ってる」とすぐに言ってしまうかもしれません。

―― あと、シーンとなったときに、すべり芸で持っていく、ということはあるかもしれないですね。

早坂 日本人もすごくお笑いは好きで、例えば居酒屋などに行けば、どこのテーブルでも日本人はすごく笑っていますよね。あのようなものは、欧米のバーとか...

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