かつて日本と深く関わった「満洲」は、現代では自虐史観や政治的意図からタブー視されがちである。しかし、モンゴル史研究で培った視点や周辺民族の立場から光を当てることで、従来の枠組みに囚われない立体的な歴史像を提示し、地政学として「満洲」を知ることの意味を説く宮脇氏。たとえば、「満洲」という言葉の語源は、「マンジュ」という部族長の名前だったという。そのような満洲の成り立ちから、古代の地域情勢、現代の安全保障環境への通底までを俯瞰し、戦後の固定観念を排して日本の近現代史を正直に見直す重要性を提唱する。(全10話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
「満洲」から考える日本とアジア
なぜいま「満洲」の歴史から日本とアジアについて考えるべきか?
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
宮脇淳子(公益財団法人東洋文庫研究員)
2.「朝鮮と満洲とモンゴル」は実は変わらない…そのルーツとは?
2026年9月15日配信予定
3.謎の「渤海」…なぜ日本は奈良時代以降、渤海と盛んに交流したのか
2026年9月21日配信予定
4.蒙古襲来と清朝建国…満洲をめぐる興亡史と「漢族」との関係
2026年9月22日配信予定
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2026年9月22日配信予定
5.タイトル未定
2026年9月28日配信予定
6.タイトル未定
2026年9月29日配信予定
7.タイトル未定
2026年10月5日配信予定
8.タイトル未定
2026年10月6日配信予定
時間:12分19秒
収録日:2026年5月13日
追加日:2026年9月14日
収録日:2026年5月13日
追加日:2026年9月14日
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●満洲の研究を手掛けることになった理由
―― 皆様、こんにちは。
宮脇 こんにちは。
―― 本日は宮脇淳子先生をお招きいたしまして、「満洲から考える日本とアジア」というテーマでお話を伺いたいと思います。宮脇先生、どうぞよろしくお願いいたします。
宮脇 よろしくお願いいたします。
―― 宮脇先生には、これまでも、例えばモンゴル史の講義などもお話しいただいて、もともとモンゴル史のご専門ということですけれど、今回は満洲ということで、満洲というと、今、特に現代の日本で本当にいろいろなイメージがついていて、時と場合によると満洲という言葉自体もタブー視され、忌み嫌われてしまうというようなこともあります。
今、こちらに御本3冊(『世界史のなかの満洲帝国』〈宮脇淳子著、PHP新書〉、『満洲国から見た近現代史の真実』〈宮脇淳子著、徳間書店〉、『日本人が知らない満洲国の真実――封印された歴史と日本の貢献』〈宮脇淳子著、扶桑社新書〉)並べさせていただきました。モンゴル史研究者というお立場を生かしてというか、そこからスタートされて、さらに満洲もということでこの3冊の御本を書いておられますけれど、今、特にこの時代において満洲というものを考える意味はどのようにお考えですか。
宮脇 はい。満洲国は確かにあった。しかし、日本の歴史の中で、振り返られないまま、ちゃんと言えない、向き合わない。でも、自分たちの歴史に向き合わないところは、日本の弱みのままで来ているということで、大変問題だと思います。
私が満洲研究を始めようと思ったのは、モンゴル人の歴史をずっと追いかけていって、最後の最後、満洲との関係が非常に大きいことが分かって、日本で刊行された満洲関係の本をたくさん読んだのに、どうも歯切れが悪い。何か本当のことを言っていなさそうでした。「えっ、なんで?」と。だから、モンゴルだけやっていれば、もっと楽だったのですけれど、だんだんと日本の近現代史に近づいてきて、「こんなになんだか分からないんだったら自分で勉強して自分でやってみよう」と思ったのが始まりなのです。
それで今の3冊は私の自信作だと思います。3部作になりました。満洲(研究)についての私の強みは、「日本と満洲」「東京と新京」などということではなくて、「後ろから見るモンゴル」とか、あるいは「そこに住んだ人たちの視点」から満洲という土地の歴...