中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む
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中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
宮脇淳子(公益財団法人東洋文庫研究員)
今回の宮脇淳子先生の講義では、宮脇先生の夫君でいらっしゃった故・岡田英弘先生の『皇帝たちの中国』を紹介しつつ、そこで示された「中国の本質」を解説していく。まさに、目からウロコが落ちる中国史概説である。この『皇帝たちの中国』は、中国史の本であるにもかかわらず、「中国史はつまらない。これが通り相場である」という衝撃的な書き出しから始まる。まず第1話では、それはなぜなのかを解き明かす。その理由がわかると、正史的な中国史と、真実の中国史の違いが明快に見えてくる。そうしてこそはじめて、「人間らしい人間」が、激動の歴史の流れのなかで紡いでいく歴史として再現されるのである。(全4話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分47秒
収録日:2019年7月23日
追加日:2026年6月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●岡田英弘先生の『皇帝たちの中国』と、宮脇淳子先生の『皇帝たちの中国史』


―― 皆様こんにちは。本日は宮脇淳子先生をお招きいたしまして、「皇帝たちの中国史」についてお話をいただこうと思っております。

 元々のきっかけというのが、宮脇先生のご主人でいらっしゃる岡田英弘先生がお書きになった、この『皇帝たちの中国』(原書房)ですね。

宮脇 古い本なんですよね、これね。

―― これが1998年。

宮脇 そう、ずいぶん昔のことで。亡くなった主人の岡田英弘が、朝日カルチャーセンター新宿で話をして、それを文字起こししてもらって、またそれにいっぱい書き込んで作ったのです。

 ですので、元々が話し言葉でできていて、しかも分かりやすく、それで特別に5人の皇帝を選ぶという、ものすごく、それまでにない試みをしました。そして、その「時代背景」や「中国とは何か」というものを書いた本なのです。

 この発刊が1998年だったもので、その後でWAC(ワック)さんが、内容はまったく同じで、ちょっと題名が変わって2006年に出て。(※その後、2022年にさらにワックから新版が刊行)。

―― 2006年ですね。いや、こういう形で本が残っていくというのは、非常にいいことですし、これでまた宮脇先生のもの(『皇帝たちの中国史』徳間書店)が残っていくと、読者からすると、二度おいしいと言いますか。

宮脇 そうですね。ですから、なるべく私は、これ(岡田英弘著『皇帝たちの中国』)はこれで生かしておいて、(宮脇淳子著『皇帝たちの中国史』は)そうではない、導入版のような、それをもっと分かりやすく、というようにしたいなと思っております。


●「中国史はつまらない。これが通り相場である」


―― とにかく、本日は、その前提にある岡田英弘先生の『皇帝たちの中国』について、簡単にご紹介するような形で行ければというところなのですけれども。

宮脇 はい、ありがとうございます。

―― これがまた、書き出しですね。最初の冒頭の書き出しが非常に挑戦的な書き出しから始まるというところで。どういう言葉で始まるかというと、中国史の本であるにもかかわらず、「中国史はつまらない。これが通り相場である」というのが、ビシッと一文始まって、ここから全編が始まっていくというところですけれども。

 まあ、ここまで書いてしまうと、中(本文)がつまらなかったら...

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