中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
宮脇淳子(公益財団法人東洋文庫研究員)
「始皇帝からラストエンペラー(溥儀)までの全皇帝の4分の3は、非漢族だった」「西暦2年頃に6000万人だった漢人の人口は、三国志の騒乱期を経て、わずか400万人台へと激減した」……。中国の歴史を探っていくと、とてつもない事実に突き当たる。逃げ場のない広大な平原で起きる大飢饉と、幾度も幾度も南下してくる北族(北方遊牧民)。大きく塗り替えられていく歴史こそが、中国の真実なのである。その構図から生み出されるものを読み解いていくことで、はじめて中国史を深く理解できるようになる。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:8分51秒
収録日:2019年7月23日
追加日:2026年7月12日
カテゴリー:
≪全文≫

●漢人が6000万人から500万人以下に…なぜ激減してしまったのか


―― 面白いデータが岡田(英弘)先生がここ(『皇帝たちの中国』)に書かれていて、始皇帝から始まって最後のラストエンペラーまで全皇帝を並べてみたときに、いわゆる「漢人」(漢民族)がどのくらいいるのかというところでいくと、「全体の4分の1」しかいなくて、4分の3が「非漢人」であると。

宮脇 この場合の「漢人」というのは、つまり秦・漢の、最初の始皇帝と漢の武帝の時代の漢人を「漢人」と呼べば、その人たち以外は、もう本当に残りは全部、北から入ってきているわけです、皇帝が。

―― ということですよね。

宮脇 元「鮮卑(せんぴ)」とか、元「モンゴル」とか。

―― だから、本当に激しいですよね。先ほど『三国志』の話が出ましたけれども、三国志の前が漢の時代ですね。で、漢の後漢で騒乱が起きたのが三国志というところになりますけれども……。

宮脇 そう、そして魏と呉と蜀になるわけです。

―― になるのですけれど、その前の、要するに漢の全盛期、西暦2年ぐらいの統計だと、いわゆる今先生がおっしゃった「漢人」がだいたい約6000万人弱ぐらいいたのが……。

宮脇 そうそう。すごいのです、人口統計があるのですよね。そして、それが最大なのです。17世紀、18世紀までそれが最大でした。

―― 最大なのですよね。で、その後、なんと恐るべきことに、日本人はこれ本当に想像がなかなかつかないのですが、三国志の時代の騒乱を経て、漢人の人口が全国でたった400万人台になってしまったと。

宮脇 500万人以下くらいになっちゃったということなのです。

―― 想像を絶します。

宮脇 想像を絶する減り方です。それはね、私はけっこうそのことを一所懸命説明するのですけれど、とにかくどこまで行っても同じ気候で、山やら川やらがあまりなくてベターとしていて、それで30年も40年も戦争していると、作物を誰も植えてくれないので、次の穀物が実っていないわけですよ。食べるものがないわけです。

―― 本当に飢饉、大飢饉の連続ですね。

宮脇 食べるものがどこにもないわけです。で、歩いて行っても歩いて行っても、どこも同じ。逃げる場所もないわけです。それで皆、餓死したのです。でも、20世紀だって餓死していますから、あそこは。

―― 文化大革命とか大躍進とか。

宮脇 大躍進なんて、要するに食べ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
オスマン帝国とは何か~その繁栄と共生の秘密~
オスマン帝国とは何か?その繁栄の理由
山内昌之
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
生成AI「Round 2」への向き合い方(8)「責任あるAI」への課題と覚悟
責任あるAI――マイクロソフトが掲げるコンセプトと覚悟
渡辺宣彦
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介