高齢者のフレイル・認知症とその予防対策
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人(東京大学大学院医学系研究科老年病学教授)
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平均寿命と健康寿命の差(要介護期間)を縮めることが喫緊の課題とされる中、高齢者における疾患・病態には5つの特徴があるという小川純人氏。高齢者は単一の疾患にとどまらず、多疾患併存や多剤併用(ポリファーマシー)、非定型的な症状、さらに転倒や誤嚥などの「老年症候群」を伴いやすいという。そこで本講義では、高齢患者の心身を総合的に診察・サポートする「老年病科」の重要性と役割について分かりやすく解説する。第1話は、脳血管障害や動脈硬化との関係性に加え、認知機能低下の兆候を捉える日常生活動作(IADL)の評価の重要性を説き、高齢者の健康を維持するための包括的ケアの必要性を明示する。(全6話中第1話)
時間:13分12秒
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月1日
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月1日
≪全文≫
●「老年病科」設立の経緯――「老人に対する特別な医学が存在すべき」の声
皆さん、こんにちは。小川純人(おがわ すみと)と申します。本日は、「高齢者のフレイル・認知症とその予防対策」と題しまして、これからお話を申し上げます。どうぞよろしくお願いします。
早速ですけれど、これは身内の話で恐縮ですけれど、東京大学におきましては、私がおります老年病科は、もう今から60年余の昔に設立されたものです。
これはその当時の同窓会誌である鉄門クラブの鉄門だより(ですが、)ひも解きますと、ちょうどここ(スライド)にありますけれど、小児科と同じく、老人に対する特別な医学が存在すべきであるといった声が以前から高まっていたということです。
これは、昭和36(1961)年時点ですけれど、その当時からあったということで、当時は文部省の管轄で、老人病科は東大病院の診療科目として認められるためには、国会の予算を通過するということが前提だということもあり、ここ(スライド)にありますように文部省の時代に「老人病科」――今は「老年病科」と呼んでいますけれど――設置の予算が通過したという経緯があります。
現在では、老年医学、老年病科は、内科の一部門ということで、内科専門医の中で「老年科専門医」というものがありますし、あとは大学院(大学)という位置づけの中では、生殖・発達・加齢医学専攻ということで、ちょうど産科、小児科、小児外科、老年病科ということで、まさにゆりかごから墓場まで、時間軸で学問として医学として見極めるということで、そういった体系の中に成り立つものでもあります。
ということで、歴史はありますけれど、こういったものが今後とも重要になってくるだろうと思います。
●平均寿命と健康寿命の推移
早速ですけれど、少し総論的な話から始めます。
平均寿命と健康寿命の推移ということは、皆さん、お聞きになったことがあるかもしれません。ここ(スライド)にちょうどありますように、わが国におきましては、ちょうど平均寿命(青で示すところ)、それから健康寿命(ピンクで示すところ)、いずれも時間とともに時代とともに延伸していますけれど、よく見ると、この差といいますか、その間は...
●「老年病科」設立の経緯――「老人に対する特別な医学が存在すべき」の声
皆さん、こんにちは。小川純人(おがわ すみと)と申します。本日は、「高齢者のフレイル・認知症とその予防対策」と題しまして、これからお話を申し上げます。どうぞよろしくお願いします。
早速ですけれど、これは身内の話で恐縮ですけれど、東京大学におきましては、私がおります老年病科は、もう今から60年余の昔に設立されたものです。
これはその当時の同窓会誌である鉄門クラブの鉄門だより(ですが、)ひも解きますと、ちょうどここ(スライド)にありますけれど、小児科と同じく、老人に対する特別な医学が存在すべきであるといった声が以前から高まっていたということです。
これは、昭和36(1961)年時点ですけれど、その当時からあったということで、当時は文部省の管轄で、老人病科は東大病院の診療科目として認められるためには、国会の予算を通過するということが前提だということもあり、ここ(スライド)にありますように文部省の時代に「老人病科」――今は「老年病科」と呼んでいますけれど――設置の予算が通過したという経緯があります。
現在では、老年医学、老年病科は、内科の一部門ということで、内科専門医の中で「老年科専門医」というものがありますし、あとは大学院(大学)という位置づけの中では、生殖・発達・加齢医学専攻ということで、ちょうど産科、小児科、小児外科、老年病科ということで、まさにゆりかごから墓場まで、時間軸で学問として医学として見極めるということで、そういった体系の中に成り立つものでもあります。
ということで、歴史はありますけれど、こういったものが今後とも重要になってくるだろうと思います。
●平均寿命と健康寿命の推移
早速ですけれど、少し総論的な話から始めます。
平均寿命と健康寿命の推移ということは、皆さん、お聞きになったことがあるかもしれません。ここ(スライド)にちょうどありますように、わが国におきましては、ちょうど平均寿命(青で示すところ)、それから健康寿命(ピンクで示すところ)、いずれも時間とともに時代とともに延伸していますけれど、よく見ると、この差といいますか、その間は...
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