編集長が語る!講義の見どころ
「宇宙の創生」「地球の内側」の仕組みと謎に迫る!【テンミニッツTV】

2021/05/28

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
一昨日は「皆既月食」でしたが、皆さまご覧になれましたでしょうか? 実は今年は、ガガーリンが人類として初めて宇宙空間を飛んでから60周年に当たります。彼の「空は暗く、地球は青かった」という有名な言葉がありますが、宇宙と地球の本質を解き明かす注目特集&講義を、本日はご紹介いたします。

◎本日開始の特集:こんな仕組みだったのか!「地球と宇宙の謎」に迫る

今回の特集は、宇宙からマントルまで、最新の科学を知ることができる内容です!

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=116&referer=push_mm_feat

沖野郷子:地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
藤井敏嗣:日本で火山活動が起こるメカニズムとは?
岡朋治:「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡村定矩:宇宙に関するニュースを理解するために宇宙の姿を学ぶ
小泉宏之:火星探査はどのような形で行うのかを考える

◎講義のみどころ:宇宙創生を解明してきた科学の歩みと宇宙物理学の最先端を知る

特集のうち、「宇宙について、人類がどのように考えてきて、現在どこまでわかっているのか」について岡朋治先生(慶應義塾大学理工学部物理学科教授)が教えてくださった、とても興味深い講義をピックアップいたします。コペルニクス、ニュートン、アインシュタインから、最新研究の現在地までわかる、まことに壮大なお話です。

◆岡朋治:「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(全12話)
(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3786&referer=push_mm_rcm1

岡先生は、「人類は、宇宙について95パーセントを知らない」とおっしゃいます。しかし、岡先生がこの講義で教えてくださる「すでに知ることのできた5パーセント」だけでも、一般のわれわれからすると、驚くようなことばかりです。

第2話では、古代エジプト、インド、中国、ギリシアなどの神話で、宇宙がどのように把握されていたかが語られます。第3話では、プトレマイオスの天動説、コペルニクスの地動説、さらに天文学を発展させたチコ・ブラーエやケプラーなどが登場します。

そして、第4話でニュートン、第5話でアインシュタインが登場します。全12話の半分にも満たない第5話でアインシュタインと聞いて、残りの7話はどうなるのかと不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。まさにその部分で、アインシュタインの後に続く研究者たちが、宇宙をどのように解き明かしてきたのかを、岡先生はご説明くださるのです。

たとえば、実はアインシュタインは「宇宙が膨張したり収縮したりすることはない」という信念を持っていたそうですが、アインシュタインの一般相対性理論から、宇宙の膨張・収縮を導き出したフリードマンやルメートルなどといった科学者が登場してきます。それが有名な「ビッグバン」の宇宙論へとつながっていきます。

やがて、ビッグバンの証拠も発見されて、「膨張宇宙論」は確固たるものになりました。しかし、そこで問題になるのが、「ビッグバン以前には、何があったのか」です。これについては研究の結果、「とても小さな状態から宇宙は始めなければいけない」ということがわかってきました。

ここで重要になってくるのが「量子力学」です。量子力学が何かについて、岡先生は「理系の学生の数年間はこれを勉強するために費やされますから、サクっと説明するわけにはいきません」とおっしゃいますが、講義では図を多用して、なるべくわかりやすくご説明くださいます(第8話以降)。有名なホーキング博士なども、第9話で出てきます。それらがどのような内容かについては、ぜひ講義をご覧いただくのが良いと思います。

最後に岡先生は、現在の学界で、この宇宙の盛衰について「5つの時代区分」で説かれている内容を教えてくださいます。

宇宙の「原始時代」は、宇宙開闢から10の5乗年以下。次の「恒星の時代」は、10の6乗年(つまり100万年)から10の14乗年(ちなみに「1兆年」が10の12乗年です)までで、エネルギーが恒星によってどんどん生み出されていく段階です。現在は、宇宙が誕生してから約138億年とされますから、まさにこの段階にあります。

次の「縮退の時代」は、10の15乗年から10の39乗年のことです。「恒星の時代」のエネルギーの原料であるガスが枯渇して、恒星がどんどんと白色矮星、中性子星、ブラックホールへと縮退していってしまう時代です。

「縮退の時代」の後に存在できるのはブラックホールだけとなって、「ブラックホールの時代」となります。これは10の40乗年から10の100乗年くらいのこと。さらに、最終的にはブラックホールも量子力学的効果によって蒸発してしまいます。その結果、「暗黒の時代」が訪れます。これは10の100乗年以上の後のことで、ざっくりいうと「宇宙は悠久な時を経て熱的な死を迎える」と推測されるのだそうです。

なんとも無限に広がるようなお話ですが、岡先生は、宇宙のことを知る意義を次のように語っていらっしゃいます。

《宇宙を知ることは自分を知ること。例えば仕事が一段落したとき、あるいは何かに行き詰って、ちょっと悩んだとき、または単純に夜眠れないときなどに、ふと宇宙について考えてみていただければと思います。そうすると、人生はたぶん、少しだけ豊かなものになるのではないかと思います》

まさに、ご指摘のとおりでしょう。人生を豊かにするために、ぜひ本講義をご覧くださいませ。

(※アドレス再掲)
◆特集:こんな仕組みだったのか!「地球と宇宙の謎」に迫る
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=116&referer=push_mm_feat

◆岡朋治:「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3786&referer=push_mm_rcm2


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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は、「織田信長の経済政策」についての講義からの問題です。ではレッツビギン。

織田信長のすごいところは、軍事をはじめいろいろなことを、商人たちとの癒着というと言葉は悪いですが、商人たちとの連携でどんどん進めていったことです。
その一つの表れが「  」です。

さて、「  」には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3208&referer=push_mm_quiz


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編集後記
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編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。

さて本日は5月28日ですが、すでに梅雨入りしているところも少なくないと思います。今年は例年になく梅雨入りが早いということで、まだという地域もこの後、早めの梅雨を迎えることになるのではないでしょうか。
今回は雨について取り上げられている講義を一つご紹介いたします。

世界四大文明を生んだ「川」と「雨量」の興味深い関係
沖大幹(国際連合大学 上級副学長)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=754&referer=push_mm_edt
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雨が多いのは、昔も今も農業にはあまり良くありません。小学校で習う通り、光合成には二酸化炭素と水と太陽の光が必要です。太陽の光は、雨が多いと少なくなりますから、年中晴れている半乾燥地帯や砂漠地方の方が、水さえあればむしろ農業に向いているのです。
日本でも「日照りに不作なし」といいます。東北地方で不作になるのは、「やませ」という風が吹き、雨が多くじめじめした日が続く夏です。
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雨は「恵みの雨」ともいいますが、多すぎるのは良くないということですね。今年の梅雨はどうなるのでしょうか。
ちなみに、沖先生はこのお話の前に世界の四大文明について語っておられますが、文明の起こったところではいずれも雨は少なかったということです。