編集長が語る!講義の見どころ
「5G」が普及すると何が変わるのか(テンミニッツTVメルマガ)
2020/03/25
皆さまこんにちは。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
ちょうど本日(3月25日)から、NTTドコモが第5世代移動通信方式(5G)の通信サービスを展開します。KDDIは3月26日から、そしてソフトバンクは3月27日から、5Gのサービスを開始することになります。
いよいよ日本でも5G時代の到来というところですが、しかし、5Gとは何か、どのようなことができるのかについて、どれだけ正しい知識を持てているでしょうか。そこで、ぜひご覧いただきたいのが、中尾彰宏先生(東京大学大学院情報学環教授)による、とてもわかりやすい講義です。
◆中尾彰宏:5Gとローカル5G(全9話)
(1)5G推進の背景
5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3066&referer=push_mm_rcm1
中尾先生によれば、2021年にはモバイル対応のデバイスが全世界で約120億という数になり、全体のデータ量はおよそ15ZB(ゼッタバイト)になるといいます。ちなみに「1ZB」は、われわれになじみの単位に換算すると、おおよそ「1兆GB(ギガバイト)」で「10億TB(テラバイト)」にあたります。インターネットが誕生してからいままでに世界で流れたトラフィックの総量が1ZBだそうですから、その15倍のデータが、わずか1年間で流れるようになるわけです。
そのような考えられないほどのデータ量の拡大を支えるものこそ、超高速で大容量な通信を可能にする「5G」なのです。
5Gの「大容量」で「低遅延」の特長を活かすと、どのようなことができるのか。中尾先生が紹介される、直近に可能性のある5G活用事例は、たとえば次のようなものです。
●遠隔地にいる相手を360度の角度からキャプチャした映像を通信で送り、それを自分の目の前に投影して、あたかも目の前に相手がいるかのような状況(テレポーテーションしたような状況)を生みだす「ホロポーテーション」。
●ドローンなどで撮影した4K動画の生中継。
●馬など家畜の毛並みまでわかる8K映像を転送して飼育に活かすアプリケーション。
●信号なしでも事故が起きずに高速走行できる「遠隔協調運転制御」。
●低遅延性を活かした水中ドローンの遠隔操作。
テンミニッツTVの講義で中尾先生は、これらの具体的な姿を、実際の実験映像なども交えながらご紹介くださっています。まさに5Gが、人々の現実認識の方法論を変えていき、メディアのあり方も大きく変えることが実感できます。
さらに、5Gの場合、大手通信事業者だけでなく、大学やケーブルテレビ、地域ビジネスの会社などがスポット的に柔軟に5Gシステムを構築できる「ローカル5G」も構想されています。これによって、さらに5Gを活かした広範なサービスやビジネスが生まれてくる可能性もあるのです。「情報通信の民主化」がつとに指摘されるゆえんです。では、その「ローカル5G」とはどのようなものか――。
未来を語るにも、まずは原理と現状がわかっていなければ話になりません。ぜひ本講義をご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆中尾彰宏:5Gとローカル5G(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3066&referer=push_mm_rcm2
----------------------------------------
編集部からのお知らせ
----------------------------------------
編集部の伊藤です。
今回は講師ページの修正についてご案内いたします。
これまで、講義の一覧がずらっと並ぶ形で表示しており、配信講義が多い講師の先生のページが見づらい・・・というご意見をいただいておりました。
(加えて、対談・鼎談が最上部に固定表示されていました)
こちらに対応するため、講義をシリーズ毎にまとめて表示するように修正しました。
今後も使いづらい点などがあれば改修していきますので、お気軽にご意見いただければと思います。
----------------------------------------
今週の人気講義
----------------------------------------
きわめて特異的な「ウイルスと宿主の関係」
長谷川眞理子(総合研究大学院大学長)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3240&referer=push_mm_rank
ギリシアの民主政とローマの共和政はどう違うのか
本村凌二(東京大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3243&referer=push_mm_rank
なぜ日本の医療はグローバル化が遅れているのか
堀江重郎(順天堂大学医学部大学院医学研究科 教授)
神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2952&referer=push_mm_rank
なぜ伊能忠敬は隠居後に地図づくりを成就できたのか
童門冬二(作家)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3246&referer=push_mm_rank
「海の哺乳類」が海の中で行った「生き残り作戦」とは
田島木綿子(国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ 研究主幹)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3248&referer=push_mm_rank
----------------------------------------
レッツトライ! 10秒クイズ
----------------------------------------
「食と健康」ジャンルのクイズです。
現在、スローフードは一般的に使われている言葉ですが、その考え方が生まれたのはヨーロッパのどの国?
答えは下の講義をご覧ください!
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2328&referer=push_mm_quiz
----------------------------------------
編集後記
----------------------------------------
編集部の加藤です。
本日配信の新着講義「佐久間象山に学ぶ(4)「先憂後楽」と人材育成」(田口佳史先生)について少しお話します。
その講義のなかに下曽根金三郎という人物の話が出てきます。これまで幕末についての講義をいろいろと収録してきたので、それなりに幕末の歴史については知っているつもりでしたが、正直初めて聞く名前でした。
下曽根金三郎は当時、西洋の技術を教えるため塾を開いていたのですが、「そこで佐久間は救われた」と田口先生が話しているように、彼の塾は佐久間象山に大きな影響を与えました。いったいどんな塾だったのでしょうか。ぜひご視聴ください。
<本日配信の新着講義はこちら>
佐久間象山に学ぶ(4)「先憂後楽」と人材育成
田口佳史(東洋思想研究者)
神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3271&referer=push_mm_edt
人気の講義ランキングTOP10
熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
「ブッダに帰れ」――禅とは己事究明の道
藤田一照