編集長が語る!講義の見どころ
初詣が楽しくなる神道の基礎知識(特集&田口佳史先生)【テンミニッツTV】
2021/12/31
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
今年も、テンミニッツTVをご愛顧いただきまして、本当にありがとうございました。いよいよ大晦日です。皆さま、今年はどのような1年だったでしょうか。コロナ禍もあり、閉塞感を覚えた方も多いかもしれません。来年が素晴らしい1年でありますことを、心より祈りたいと思います。
個人的には、本日の紅白歌合戦での「マツケンサンバ2」が大いに楽しみではありますが、新年を迎えたら、初詣に足を運ばれる方も多いのではないでしょうか。
大晦日の本日ご紹介いたしますのは、「初詣が100倍楽しくなる神道の基礎知識」特集と、そのなかからピックアップして田口佳史先生の講座です。
■本日開始の特集:初詣が100倍楽しくなる神道の基礎知識
初詣をするときに、日本古来の神道の考え方を知ると、そのありがたさが幾倍にもなること、うけあいです。しかもこれらの講座からは、日本人が伝統的に考えてきた「正しい生き方」のヒントも伝わってきます。新しい1年をより素晴らしいものにするためにも、必見の講座群です。
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=147&referer=push_mm_feat
田口佳史:神道とは何か――本居宣長が『古事記伝』で語っていること
田口佳史:川は急流、水は澄み切る―日本のリーダーの条件「清明心」
鎌田東二:世界神話の中での日本神話の特徴は「人間の格づけ」にある
橋爪大三郎:10分でわかる「日本の宗教」
■講座のみどころ:実体をつかみにくい「神道」の本質に迫る(田口佳史先生)
本日は、特集のなかから田口佳史先生の講座を紹介します。ピックアップするのは、全11話の「日本文化を学び直す」講座から第9話ですが、この1話を見ていただくだけで、神道の何たるかをつかんでいただくことができる秀逸な講義です。もちろん、この講座全話をご覧いただければ、田口先生が豊富な例を挙げて語ってくださっているので、さらに理解が深まることでしょう。
◆田口佳史:日本文化を学び直す(全11話)
(9)神道と稲作農耕
神道とは何か――本居宣長が『古事記伝』で語っていること
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3672&referer=push_mm_rcm1
この講義で、田口先生がまず強調されるのは、「神道とは宗教とは言い難い」ということです。田口先生は宗教の特徴として、「教祖がいること」「教典があること」「他宗教を排撃すること」を挙げますが、たしかに神道にはこのいずれもありません。
これはつまり、「神道は、とても実体をつかみにく信仰であるということだ」と田口先生はおっしゃいます。まさにそのとおりでしょう。外国の方に「神道」について説明するのは、なかなか骨の折れることに違いありません。
そして、こうおっしゃいます。
《「これが神です」と示さないで、神を感じてくれというわけですから。人によっては感じないとか、鈍感な人間では感じられないとかいうわけです》
「感じるか、感じないか」……。たしかにそのとおりです。少し田口先生の講座から離れますが、伊勢の神宮の大宮司を務められた久邇邦昭さんが、神宮で感じたことを次のように書いていらっしゃいます。
《何事の おはしますをば 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる
西行法師が伊勢の神宮で詠んだ歌と伝わるが、この歌はスピリット(神霊)をどう感じるかということを、よく伝えている。
たとえば樹齢何百年という大きな檜の木の梢が、少しざわざわする感じ。あるいは、正殿の上に何かいらっしゃるような気配。要するにそれは気の問題で曰く言い難いのだが、神宮の神職の人々もだいたい皆、そういう感じを持つようだ》(久邇邦昭著『少年皇族の見た戦争』)
この本では、遷宮の折に体験された神秘的な体験や、ご友人の岩城宏之さんが同じ遷宮の場で感じたことなど、さまざまな興味深いことが書かれていますが、まさに日本の神道は、そのように「感じる」ものなのでしょう。
田口先生が言及されるのが、江戸時代の国学者・本居宣長の「神」の定義です。本居宣長は、「尋常(よのつね)ならず、すぐれたる徳のありて、可畏(かしこ)き物」が神なのだといいました。古来信じられてきた諸々の神々から、神社に坐す御霊、さらも人、鳥獣木草、海や山まで、ありとあらゆるものに神を感じてきた鋭い感性を、日本人は持ってきたというのです。
さらに田口先生は、「日本人は、稲作農耕を『神との共作』だと考えてきた」とおっしゃいます。素晴らしいお米をつくるには、神様に降りてきてもらわないといけない。だから、田んぼを美しく保ってきたのだというのです。
また、収穫のときには「まつり」がありました。日本人は、穀霊、地霊、祖霊という3種類の神様に祈ってきたともおっしゃいますが、それらの詳しい点については、ぜひ講義本編をご覧ください。
先にも書きましたが、時間が許せば、同じ講座の他の各話もご覧いただくと、理解はますます深まると思います。
さらに、大晦日から新年にかけて、同じ特集内の別の先生方の講義のなかから気になったものをご覧いただければ、日本文化の本質について、多くのことを考えることができ、さらに初詣も100倍!楽しくなるはずです。
それでは皆さま、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
(※アドレス再掲)
◆特集:初詣が100倍楽しくなる神道の基礎知識
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=147&referer=push_mm_feat
◆田口佳史:日本文化を学び直す(9)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3672&referer=push_mm_rcm2
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レッツビギン! 穴埋め問題
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今回は「為末メソッド」についての問題です。ではレッツビギン。
コントロールしようとしてもできないところに「( )らしさ」が宿っているので、逆にそれを考えたり、どうこうするよりも、むしろリリースして、自由に泳がせたときに出てくる反応が「( )らしさ」なのだと思っているのです。
さて( )には何が入るでしょう。答えは以下にてご確認ください。
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4167&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて編集長の言葉にもありましたが、いよいよ2021年も本日でお仕舞いです。今年も一年、当メルマガをご愛顧いただき、ありがとうございました。この場を借りて、感謝申し上げます。来年も皆さまの学びの一助となるよう、いろいろな角度から貴重な講義のエッセンスをお届けしていきます。ご期待ください。
最後に。
昨年(2020年)の大みそかに配信された以下の講義をお伝えして終わりたいと思います。
マルクスの名著『資本論』はどのようにして誕生したのか
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3812&referer=push_mm_edt
最澄が比叡山での修行の際に『願文』に込めた願いとは
頼住光子(東京大学大学院人文社会系研究科・文学部倫理学研究室教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3808&referer=push_mm_edt
※頼住光子先生の「頼」は、実際は旧字体(件名、本文いずれも)
マルクス、最澄いずれも未来の私たちへ貴重なメッセージを残した人物ではないでしょうか。ぜひご視聴ください。
それでは皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。
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