編集長が語る!講義の見どころ
凋落した日本、復活の王道とは/小宮山宏先生×島田晴雄先生【テンミニッツTV】
2022/08/23
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です
本日は、この8月からスタートしました、お得な「年間プラン」のご案内と、小宮山宏先生、島田晴雄先生のご対談による「これからの日本をどうすべきか」講座を紹介いたします。
■(1)お得な「年間プラン」のお知らせ
このたび、皆さまに、よりお得にテンミニッツTVをご利用いただくべく、「年間プラン」の提供を開始いたしました。
【年間プラン=年額19,800円(税込)】
クレジットカード決済のみの対応で、一括でのお支払いになりますが、通常プラン月額1,980円で12カ月お支払いいただくよりも、「年間で3,960円お得に」なります。
変更方法などは下記からご覧ください。
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※年間プランはAmazonPay/楽天Payではご利用いただけません。現在、AmazonPayもしくは楽天Payでお支払い中の方は、上記のアドレスから「料金プランの変更方法」に進んでいただければ、詳細を記しておりますので、ご参照ください。
■小宮山宏先生×島田晴雄先生「これからの日本をどうするか」
低迷が続く日本。その原因はどこにあるのか。いま、何をすべきなのか。
このような問いかけを聞くと、ついつい「またか」と思ってしまうほど、これまで議論は百出してきました。しかし結局、どうにも好転せぬまま現在に至っている観があります。
その点、本日紹介する講座で、小宮山先生が次のように喝破しておられるのは、まことに胸に染みます。
《動き出すということでいえば、今は動き出していないですよね。(岸田政権が唱える)「新しい資本主義」といっても、うまくいくとは思えません。それは結局、今変わらなくてはいけないわけですが、皆変わりたくないからです》(第2話)
結局、変わりたくないから変われないのだ。ここは非常に重要なご指摘でしょう。
本講座で語られる小宮山先生、島田先生のご提言の数々を聞いていくと、「変わる勇気」がわいてきます。それは、小宮山先生、島田先生の描かれる構図が、大局的で、かつ核心をついたものだからでしょう。
まさにいま、必見の講座です。
◆小宮山宏×島田晴雄:これからの日本をどうすべきか(全4話)
(1)凋落する日本と岸田政権の課題
2025年は最低の年になるのか、40年サイクル説と日本の課題
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4574&referer=push_mm_rcm1
まず第1話で島田先生は、とても興味深い「40年サイクル説」をご紹介くださいます。
《「40年サイクル説」を唱える人がいて、私は割と当たっていると思います。どういうものかというと、日本は40年サイクルで、ものすごく良くなったり、階段を転げ落ちるように悪くなったりするというのです》
具体的には、1945年の第2次世界大戦の敗北で日本はどん底を迎えるわけですが、その40年前の1905年には日露戦争に勝利した絶頂期です。しかし、さらにその40年前は1865年で、幕末の最低の時期です。
一方、どん底だった1945年の40年後は1985年。1人当たりGDPでアメリカを抜くような戦後日本の絶頂期です。では、その40年後は……。
「40年サイクル説」でいえば、2025年は再び「どん底」ということになります。ここで島田先生は、《そうした低迷期になったときに内閣総理大臣になるのだったら、私は「次の40年は私が設計する」と言ってもらいたい》とおっしゃいます。
しかし、そこで岸田文雄総理が言い出したのが「分配を重視する」。これは違うと島田先生は厳しく批判されます。具体的にどのような批判かは、第1話をご参照ください。
この島田先生のお話を受けて、第2話で小宮山先生は、上述したように「変わりたくないから変われないのだ」と喝破され、次のようにおっしゃるのです。
《変わるとなると、何をやろうとするか。経済産業省は――経済産業省だけではなく、内閣府もそうですが――企業にヒアリングするのです。すると、企業は変わりたくないから、今まで石油を輸入していた人たちは石油の代わりに水素を輸入する、船を造っていた人たちはLPG(液化石油ガス)船の代わりに水素を運ぶ船を造る、などという話がすぐに思い浮かびます。それが、企業が変わりたくないということの証左だと思います》
そんなことばかりを繰り返してきた情景が目に浮かぶようです。
そのうえで小宮山先生が強調されるのが、「もっと日本国内に目を向けるべきだ」ということです。
外国から資源を輸入して、製品を作って売るというモデルは、世界がまだ工業化していない時期には非常にうまくいった。しかし、いまは9割の国が工業を持っている。それでは、資源を買って製品を売るモデルだけでやっていけるわけがない。
加えて温暖化問題で、石油・石炭・天然ガスなどが使えなくなる。再生可能エネルギーになるということが、大きな流れとして決まっているのに、日本はそちらに向かって変われない。
小宮山先生は、国内の再生可能エネルギーに真剣に取り組むべきだと強調されます。計算してみれば、国内だけでも再生可能エネルギーだけで十分にまかなえる。「新しい資本主義で需要をつくるとは、新しい産業をつくることであるはずだ。これは国内における再生エネルギー産業の確立だ」というのです。
たしかに近代国になって以降の日本は一貫して「いかにエネルギーを確保するか」が死活問題でした。とりわけ「石油文明」の時代になってからは、そのことはまさに深刻になりました。
しかし、「再生可能エネルギーで大丈夫」ということになれば、発想がまったく変わってきます。
これまでの「恐怖感」や「常識」にとらわれていたら、新しい世界が構想できるはずもありません。小宮山先生や島田先生の議論は、それを軽やかに乗り越えて、明解なビジョンを提示くださるのです。
さらに第3話以降では、次のようなことが論じられます。
●ヨーロッパは「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と「環境」のジャンルで大成長を生むべく本気でルール作りに動いており、日本が遅れて動き出したら損をしてしまう。
●日本は木材資源にも恵まれており、「石油化学から木材化学へ」という動きも力強く進めるべき。
●日本のベンチャーの「可能性」と「灯台もと暗し」
●課題解決に必要なものは「経験と知恵と気合い」。
いずれも具体例豊富で、パッと視界を開いてくださる議論です。
まさにいま必要なのは、このような本質をついた議論であることを痛感しつつ、日本がこの方向に動いてくれればと心の底から思えてくる講座です。ぜひご覧ください。
(※アドレス再掲)
◆「年間プラン」提供開始のお知らせ
https://imagineer.edmode.com/sugotoku/new_page.php?hash=WvU3neIPYp&referer=push_mm_new_function
◆小宮山宏×島田晴雄:これからの日本をどうすべきか(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4574&referer=push_mm_rcm2
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☆今週のひと言メッセージ
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《一部の貧困は全体の繁栄にとって危険である》
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2042&referer=push_mm_hitokoto
社会の新たな枠組みを作るための3つのキーワード
古賀伸明(日本労働組合総連合会(連合)第6代会長)
ILOは1944年に第2次世界大戦以降の国際的な労働政策をどう運営すべきかという議論をアメリカのフィラデルフィアで行いました。そして、その総会の宣言が今なお、ILOの活動指針になっています。その一つに「一部の貧困は全体の繁栄にとって危険である」という文言があります。一部の貧困を見過ごすと社会全体がおかしくなるよ、ということです。肝に銘じたい宣言だと思います。
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今週の人気講義
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「ガッツ」「譲れない」…情動は重要だが、どう制御するか
長谷川眞理子(総合研究大学院大学長)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4560&referer=push_mm_rank
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
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https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4566&referer=push_mm_rank
4つの量子コンピュータの開発方式の中で主流なのは?
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「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤(元キリンビール株式会社代表取締役副社長)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4584referer=push_mm_rank
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編集後記
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皆さま、今回のメルマガ、いかがでしたか。編集部の加藤です。
さて、本日(8月23日)より桑原晃弥先生(経済・経営ジャーナリスト)の以下、新たなシリーズ講義が始まりました。
◆桑原晃弥:イーロン・マスクの成功哲学(全7話予定)
(1)マスクが「世界一」になるまで
10分でわかる「イーロン・マスク」
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4592&referer=push_mm_edt
大好評配信中の〈ウォーレン・バフェットの成功哲学〉〈スティーブ・ジョブズの成功哲学〉に続く「成功哲学」シリーズ講義第三弾で、今回の主役は今年(2022年)フォーブス誌が発表した世界長者番付の一位となったイーロン・マスクです。
彼はいったいどんな人物なのか。また、どうやって「世界一」まで上り詰めたのか。その人物像から世界一への経緯、そして彼のビジネスについても一挙に学べる貴重な講義です。
毎週火曜日配信で全7話予定です。ぜひご視聴ください。
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