編集長が語る!講義の見どころ
大切な人との関係を高める名講義/特集&田口佳史先生【テンミニッツTV】

2024/02/09

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

2月の「特集」では、【テンミニッツTV10周年企画】として、さまざまな角度からおススメ講義を紹介しています。
(併せまして、ぜひアンケート企画「あなたが選ぶベスト講義は?」もご協力賜りたく、ぜひよろしくお願い申しあげます。詳しくはトップページのバナーから!)

今回、ご紹介するのは、「大切な人との関係を高める名講義」です。

「自分」と「大切な人(家族、恋人、友人、知人、仕事仲間…)」にとっての良い関わり方をつくりあげるために何が必要でしょうか。重要なのは「相手に何ができるか」という発想法と、「自分自身のあり方」ではないでしょうか。

色々な方々との関係を高め、人生を豊かにしてくれる珠玉の講義集です。

■特集:【10周年記念】大切な人との関係を高める名講義

https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=226&referer=push_mm_feat

・田口佳史:「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと

・前野隆司:友だちの多様性が「レジリエンス」と「幸福度」を高める

・田村潤:「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい

・黒川伊保子:妻を怒らせる夫の行動…理由は男性脳の特性にあった

・黒川伊保子:家族の対話は問題解決型ではなく、「心の対話」をすべし

・頼住光子:「布施」の本当の意味とは?禅が説く自他一如の世界

・北河原公敬:「無財の七施=七つの施し」で身につく菩薩の精神とは?

・川合伸幸:セルフコントロール能力は訓練によって鍛えることができる

・山浦一保:いい妬みと悪い妬みの2種類がある…「嫉妬」の本質に迫る

・山浦一保:『寅さんの教育論』――山田洋次監督から学んだ大事な教え


■講義のみどころ:「徳」から生まれる「感謝の人間関係」(田口佳史先生)

今回、特集からピックアップするのは、「徳」の本質について、田口佳史先生(東洋思想研究家)にお話しいただいた講義です。

「徳を積みなさい」と、よくいわれます。「徳を積みたい」とも思います。しかし、「徳」というのは、なんとも、わかったようなわからないような話です。

いったい、どのように考えればいいのか。

田口先生が、きわめてクリアに教えてくださいます。全1話の講義で気軽に視聴できますが、気づきが満載の必見講義です。

◆田口佳史:「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=762&referer=push_mm_rcm1

まず田口先生は、江戸時代の親たちが、子どもの教育で一番重視したのが「徳」だったと指摘されます。また、寺子屋に6歳前後に入ったときに読む書物が『大学』です、その冒頭に書かれているのも、次の一文でした。

「大学の道は明徳を明らかにするに在り」

なぜ「徳」がここまで重視されたのでしょうか。

それは、子どもが仲間外れになったり、孤立したりしないようにという強い思いからだったといいます。たしかに当時は、とても狭い範囲での人間関係が一生続いていくような社会です。そのことは必須のことだったでしょう。

では、「徳」とはどのようなものなのか。

田口先生は、明確に定義されます。

「自己の最善を他者に尽くしきることです」

もちろん、自分がいまできる範囲での最善を尽くせばいい。そうすれば、「感謝の人間関係」が成立するのだと田口先生はおっしゃいます。

その機微は、ぜひ講義で田口先生のお話をお聞きいただければと思います。

さらに、田口先生は松下幸之助に話を聞いた折のエピソードを印象深くご紹介くださいます。

松下幸之助さんに、「経営者の条件」を聴いたら、「それは、運が強いことです」とおっしゃった。そこで、「運を強くするには、どうしたらよろしいのでしょうか」と聞いたら、「それは、徳を積むことです」とおっしゃった。

そして松下さんは、次のようなお話もされたといいます。

「Aさんに徳を尽くしたからといって、Aさんから返ってくることは滅多にない。まったく違うところから返ってくるものだ」

この禅問答のような会話を、田口先生がどう理解されたのか。そこも、ぜひ講義でご覧いただければ幸いです。

この講義の最後に田口先生は、「『徳』を尽くした人は、ずっと誰かの心の中に生き続ける人といってもいいでしょう」とおっしゃいます。心に染み入る言葉です。

12月にディケンズの『クリスマス・キャロル』を読むと、心が洗われますが、この講義も、折にふれて何度も何度も見返して、心に銘記したい絶品です。ぜひご覧ください。


(※アドレス再掲)
◆特集:大切な人との関係を高める名講義
https://10mtv.jp/pc/feature/detail.php?id=226&referer=push_mm_feat

◆田口佳史:「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=762&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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かしましき不倫叩きの世の中をもののあはれで透かしてみると

不倫バッシングをどう考えるべきか。日本では勅撰和歌集にさえ不倫の恋が載っていたと板東洋介先生がご指摘くださいます。もののあはれで考えると、何が見えてくるでしょう。(達)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5228&referer=push_mm_tanka