2024/06/11

いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。

いま世界の経済や政治に「グローバル・サウス」の諸国が大きな影響を与えている。その認識は、多くの皆さまがお持ちだと思います。

では、グローバル・サウスは世界をどう変えるのか。そしてそのなかで、日本の戦略はどうすべきなのか。

本日は、そのことについて島田晴雄先生（慶應義塾大学名誉教授、テンミニッツTV副座長）に縦横無尽にお話いただいた講義を紹介します。

いつもの島田晴雄先生の講義と同じく、この問題について、大切なことを総覧でき、しかも日本の課題も明確にすることができる珠玉の講義です。

◆島田晴雄：グローバル・サウスは世界をどう変えるか（全10話）
（1）グローバル・サウスの影響力
躍進する「グローバル・サウス」77カ国が世界に与える影響
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5302&referer=push_mm_rcm1

そもそも、グローバル・サウスとはどのような概念なのでしょうか。島田先生は、講義第1話で次のようにおっしゃいます。

《グローバル・サウスということに非常に関心が高まっています。国連でだいたいいま大雑把に推計しているようですが、77カ国あるそうです。人口でいうと、世界の人口の6割を超えます。そして（グローバル・サウスの）GDPは今や、G7のGDP総額を上回るという世界に大変影響力を持つ勢力になりつつあるわけです》

こう述べたうえで、かつてインドのネルー首相や中国の周恩来首相などが「非同盟諸国首脳会議」を起ち上げる歴史から、その後、BRICS（ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ）と呼ばれた時代など、大まかな歴史の流れをお話しくださいます。

さらに、様々なグラフで、現状をわかりやすくご解説くださいます。まことに素晴らしい図表で、グローバル・サウスが、経済力や人口の大きさなどで、いかに先進国と比べて存在感を増しているかが、一目瞭然です。

第2話からはグローバル・サウスの主要各国の分析になります。全10話の浩瀚（こうかん）な講義ですので、まず、各話のタイトルとキャッチを一覧してみましょう。

（1）グローバル・サウスの影響力
躍進する「グローバル・サウス」77カ国が世界に与える影響

（2）躍進するインドの歴史
インドはなぜ急激に発展したのか？2つの大きな理由

（3）インドネシアの成長とトルコの外交力
急成長するインドネシアとトルコ、その理由と歴史的背景

（4）サウジアラビアとイランの存在感
陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

（5）多民族国家ブラジルの強さ
驚愕的インフレを克服したブラジルの奇跡と強さの秘密

（6）グローバル・ウエストと中露の戦略
グローバル・ウエスト対中露、努力むなしい日本の現実

（7）世界システムの変容と多極化
どうなるアメリカ大統領選…多極化時代の潮流を読む

（8）日本の新しい平和戦略
日本が必要なのは「軽武装・経済優先主義」からの大転換

（9）日本の防衛力と自力安保への転換
防衛費を拡大した日本だが…自力安保への課題と厳しい現実

（10）「3つの安全保障」で日本国民を守る
軍事戦略よりも重要、国民を守るための「3つの安全保障」

この一覧をご覧いただければおわかりいただけるとおり、第5話までで、インド、インドネシア、トルコ、サウジアラビア、イラン、ブラジルを総覧していきます。それぞれの経済状況を、これまた、わかりやすいグラフでお示しくださるとともに、それぞれの国の歴史を概括いただけますので、理解をグンと深めることができます。

そして、第6話以降で、このようなグローバル・サウス諸国が伸びてきた世界の新しい秩序のあり方と、そのなかで日本がどのような戦略を採るべきかが語られます。

西側諸国と、中露など権威主義諸国との相克のなかで、グローバル・サウスの国々がどう動こうとしているのか。また、アメリカはどのように対処するのか。そして、日本は……。

島田先生は明確に、「日本は、日米安保で思考停止に陥ってしまっている。もはや空想で平和は語れない。グローバル・サウスが力を増してくる新しい世界では、日本は戦後の『軽武装・経済優先主義』を転換しなければならない」と喝破します。

防衛費を拡大は国際的に約束した日本だが、自力安保に向けては大きな課題と厳しい現実が横たわっているとも、島田先生はおっしゃいます。それは、どのようなものか。

それについては、ぜひ講義の第8話～10話をご参照ください。

現在の世界のあり方をクリアに理解することができる講義です。ぜひご覧ください。


（※アドレス再掲）
◆島田晴雄：グローバル・サウスは世界をどう変えるか（1）
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=5302&referer=push_mm_rcm2


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編集部#tanka
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