編集長が語る!講義の見どころ
勤労感謝の日に「豊穣な日本文化」を深掘りする/田口佳史先生【テンミニッツTV】
2024/11/22
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上達史です。
明日は「勤労感謝の日」です。よく知られたことですが、元々は「新嘗祭」という祝日でした。
新嘗祭は、その年に新しく収穫されたものを、神様にお召し上がりいただくお祭りです。まさに稲作などの文化を深く培って、自然と共に生きてきた日本ならではのものといえましょう。
本日は、そのような日本の伝統文化を教えてくださる田口佳史先生(東洋思想研究家)の講義を紹介します。
たとえば、日本人は稲作について、田の神、生産の神との「共作」だと考えてきたのだといいます。だからこそ神と「共作」すべき場をきれいにするよう心掛けた。それで、日本の田んぼは、こんなにも美しいのだと……。
このような基盤は、日本人の仕事観を考えるうえでも、とても重要なことでしょう。ぜひこの休日に、日本文化や日本人の心の深層に迫ってみるのはいかがでしょうか。
◆田口佳史:日本文化を学び直す(全11話)
(1)忘れてはいけない縄文文化
日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3616&referer=push_mm_rcm1
この講義は、日本文化について、その「底流」から迫っていきます。
たとえば日本文化といえば、すぐに出てくるのが「わび・さび」文化ですが、もう一つ、日本を語る場合に、忘れてならないものがあると田口先生は指摘されます。それが縄文文化です。
日本の文化の深いところにはありありと縄文のエネルギーというものがある。めったに見えていないけれども、いってみれば、何かのときにグッと浮いてくる。あらわになった瞬間には非常に大きなものを感じさせる。そう田口先生はおっしゃいます。
縄文土器の縄目の文様(ヘビ、渦巻き)が象徴しているのは、子孫繁栄であり、永遠性である。大木がドサッと倒れて一生を終えるとしても、そこからまた芽が生えて後継ぎが出てくる。そのもの自体の終焉はあるけれども、魂としては永遠性を誇っている。そういう生存性、生存能力の絶対性を表すような、エネルギッシュで非常にダイナミックな部分がある。田口先生はそのように縄文文化を解説されます。
日本の古代は、照葉樹林帯に代表されるように、非常に明るいものがあります。その明るさの基本は、食料や水などをはじめとする自然の「豊富な恵み」。楽園というものがもしあれば、こういうことをいうのではないかというような記述が、アイヌの記述の中にもたくさん出てきます。恵まれた自然環境に立脚した健全な明るい生存力が、日本のベースを形づくっているのです。
また日本人は、自然の人知を超えた力を「神」と呼び、自然と一体化し、人知を超えた神なる存在とその力を駆使することを重要視してきました。そういう感覚が日本のベースにあったからこそ、仏教や老荘思想、禅などの外来思想も高度に発展していったのだと田口先生はおっしゃいます。
本居宣長は外来思想を「漢意(からごころ)」と呼び、漢意の入る前の日本のあり方を記したものとして『古事記』を重んじました。『古事記』の冒頭に現れる神々(高御産巣日神=たかみむすびのかみ、神産巣日神=かみむすびのかみ)の名に記された「産巣日(むすび)」という言葉がとても重要です。「産霊」とも書きますが、つまり創造し、産み出すエネルギーが日本の中心をなす神だとされているのです。
さらに田口先生は、『古事記』冒頭の「葦牙(あしかび)の如く萌えあがるものによりて成りませる神の名は……」という言葉にも注目されます。
《「葦牙の」というのは萌え立つ、つまり芽がバッと出てきているところです。長い冬が終わって、「春だなぁ、ちょうどこれから」ということで、雪に閉ざされた田んぼへ行くと、だいぶ雪も解けて地面が現れてきている。よく見ると、いろんな芽がパッと吹き出ている。まさに日本の生存力、エネルギーというものがそうした地面からいっせいに起き上がってくる。そのことを「萌えあがる」といい、つまり、日本という国土自体がエネルギーの塊なのだということを表しているのです》
このような感覚は、日本文化を深く理解するために、ぜひとも知っておくべきことでしょう。田口先生は、縄文から続く日本文化の基調を、とてもわかりやすくご解説くださいます。このメールで先述した「稲作も神様との『共作』」も、このような自然観のなかから紡ぎ出されていくものです。
さらに、田口先生は本講義で、「世阿弥の中の縄文性」「本居宣長が『古事記伝』で伝えた神道の極意」「外来文化と共存することで強化された神道」「天皇とはどういう存在か」などについても、明快に説かれます。たとえば、日本に神道から、仏教、儒教、老荘思想などさまざまな思想が「たまり文化」のように蓄積したのも天皇がいらっしゃればこそであり、また、「神さながらに生きている人間を出して、見せてよ」と思うときに登場するのが天皇だと……。
それぞれがどのようなお話かは、ぜひ講義をご覧ください。日本文化の本質について深く考えることができる珠玉の講義です。
(※アドレス再掲)
◆田口佳史:日本文化を学び直す(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3616&referer=push_mm_rcm2
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編集部#tanka
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うまし国のいい夫婦の日のあくる日が勤労感謝であることの意味
今日は「いい夫婦の日」。明日は「勤労感謝の日」。なんとも深い因果を感じてしまいます。こんな折、小津安二郎映画を見つつ家族について考えてみるのも一興です。(達)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=4988&referer=push_mm_tanka
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