編集長が語る!講義の見どころ
朝ドラ『エール』と史実の古関裕而は、こんなに違う!?(テンミニッツTVメルマガ)
2020/11/13
いつもありがとうございます。テンミニッツTV編集長の川上です。
NHKの朝の連続テレビ小説『エール』が、放送もいよいよ残すところ2週間となり、大団円に向けて大いに盛り上がっています。
ご存じのようにこのドラマは、戦前から戦後にかけて活躍した作曲家・古関裕而をモデルとしています。ですから、劇中に登場する曲も、「船頭可愛や」「紺碧の空(早稲田大学応援歌)」「六甲おろし」「露営の歌」「暁に祈る」「若鷲の歌」「長崎の鐘」「栄冠は君に輝く」「とんがり帽子(鐘の鳴る丘)」「君の名は」「オリンピック・マーチ」など名曲ぞろい。
とりわけ、戦時歌謡とともに戦時中の人々の想いや戦地の厳しい状況がしっかりと描かれたこと、また、そこから立ち上がるエールとなった「長崎の鐘」「栄冠は君に輝く」などが素晴らしい俳優の皆さんの歌唱とともに感動的に紹介されたことが話題を呼び、多くの人々の胸を打ちました。ネット上で「神回」と呼ばれる回も頻出しています。
非常に素晴らしいドラマだけに、もしかすると、このドラマで描かれた主人公の姿は、実在の古関裕而のことを(ある程度)忠実になぞっている、と思っていらっしゃる方も多いかもしれません。しかし実は、史実の古関裕而とドラマでのエピソードは、かなり違っているのです。
テンミニッツTVでは、古関裕而の実像に迫った講義を、『エール』の風俗考証も務めている刑部芳則先生にお話しいただいています。まさにドラマが話題になっている今、必見の講義です。
◆刑部芳則:古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(全8話)
(1)恩師との出会い
福島県が生んだ偉大な作曲家・古関裕而の魅力を語る
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3676&referer=push_mm_rcm1
刑部芳則先生は、1977年のお生まれですが、中学生のときに古関裕而が好きになり、その後、ずっと歌謡史を追い続け、中公新書から『古関裕而――流行作曲家と激動の昭和』という本も出されています。
本講義でも、貴重な写真をふんだんにご紹介いただきつつ、古関裕而の人生と名曲の数々を熱く語ってくださっています。
たとえば、「船頭可愛や」と「紺碧の空」は第3話で、「露営の歌」は第5話で、「暁に祈る」と「若鷲の歌」は第6話で、そして「とんがり帽子」や「長崎の鐘」は第7話で紹介されます(興味のあるところからご覧いただいても良いかもしれません)。
「歌は世につれ世は歌につれ」といわれます。聴かれる曲が多様化した現代では少し様相が変わってきましたが、かつては「ヒット曲」が世相を見事に表している部分がありました。人々は、その時々に流行った曲に励まされ、また、歌に万感の想いを託して人生を歩んでいたのです。
その一例が戦時歌謡でしょう。戦時中の苦しい時期、自分たちを慰め励まし支えてくれる曲を、多くの日本人が涙を流して歌い、また戦後になっても長く愛し続けました。戦後、テレビの「懐メロ番組」などでは、戦時歌謡へのリクエストが圧倒的に多かったといいます。
当時の名曲がどのように生み出され、いかに愛されてきたのか。それを知ることは、「等身大の歴史の真実」を感じ取れる得がたい機会でもあります。
また、昭和の歌謡曲は、日本の詩歌の伝統と、西洋音楽の受容史が交わったところで花開いたものでもあります。あらためて古関裕而の名曲に光が当たった今、それを振り返ってみることも、貴重な文化史理解といえるでしょう。
ドラマでも高らかに歌われた名曲の数々を思い浮かべながら、「昭和の空気感」に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
(※アドレス再掲)
◆刑部芳則:古関裕而・日本人を応援し続けた大作曲家(1)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=3676&referer=push_mm_rcm2
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今週の「エピソードで読む○○」Vol.11
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今回の○○は、イギリスの看護師で皆さんご存じの「ナイチンゲール」です。
19世紀に体内病院のような「病院の要らない社会」を予測した人がいます。誰かというと、ナイチンゲールです。
ナイチンゲールが書いた「看護覚え書き」には、「あらゆる看護の究極の目的は患者をそれぞれ自分の家で見ることです。私は病院や救貧院の診療所などは全て廃止されることを期待しています。でも西暦2,000年のことを話してもどうしようもありません」と書いてあります。
その西暦2,000年代に、今まさに彼女が指摘したようなことをやっています。
ナノマシン医療でナイチンゲールの予言を実現化する!
片岡一則(ナノ医療イノベーションセンター センター長/東京大学名誉教授)
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=1635&referer=push_mm_episode
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レッツトライ! 10秒クイズ
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「医療・健康(食と健康)」ジャンルのクイズです。
世界における現在の食文化は、「〇〇〇〇〇の交換」の影響を大きく受けているといいます。
「〇〇〇〇〇の交換」とは大航海時代に起こった事象を指し、著名な環境史家のアルフレッド・W・クロスビーが名付けた言葉です。
さて、〇〇〇〇〇には誰の名前が入るでしょうか?(ヒント:「〇〇〇〇〇の卵」)
答えは以下にてご確認ください
https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=2339&referer=push_mm_quiz
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編集後記
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編集部の加藤です。今回のメルマガ、いかがでしたか。
さて、実はいま来月(12月)のプログラムガイドの作成を進めているのですが、注目は来月(12月)の特集で、これからの10年をどう考えて動いていくかをテーマに新講師および新講義の準備が着々と進行している段階です。
そのなかには、スポーツ界を中心に活躍されている方(かつてオリンピックにも出場)のお話や、ベストセラー本の著者の方の講義も予定しております。
今回はここまでしかお伝えできませんが、大変興味深い特集になると思いますので、ぜひご期待ください。
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